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学生・教職員が節目に決意

2017/5/1

熊本地震から1年――
前を向き“新たな一歩”を

熊本校舎で4月15日に東海大学主催の「熊本地震1周年学内集会」が、翌16日には阿蘇校舎で農学部主催の「熊本地震慰霊式」が、それぞれ行われた。平成28年熊本地震発生から1年の節目を迎えるにあたって、地震で尊い命を落とした農学部の学生をはじめ、すべての犠牲者を慰霊することを目的としたもの。あの地震から1年―─教職員、学生たちは前を向き、“新たな一歩”を踏み出している。


「震災発生から農学部が授業を再開した7月1日までは非常に長く感じられましたが、この1年の節目はあっという間に迎えた気持ちでいます」
 
熊本校舎新1号館1階ロビーに集った学生、教職員ら約350人に向けてあいさつに立った山田清志学長は、地震直後の対応や、各学部の授業再開、今後の方針説明会など節目を振り返りながら語りかけた。「時の流れの速さを感じながらも、それに流されることなく、今日は皆さんとともにこの1年間のことを思い起こし、新たな一歩を踏み出す機会としたい」
 
続いて、学生を代表して阿蘇体育委員会の田中大智委員長(農学部3年)が登壇。志半ばにして尊い命を失った農学部の学生3人に向けて慰霊の言葉を述べるとともに、「熊本の復興にはまだまだ時間がかかりますが、私たちにできるのは地震の記憶を決して風化させず、苦しくてつらい経験をこれからの人生の糧とすることです。3人の仲間の分も前を向いて歩んでいく」と力強く誓った。
 
その後は、参加者を代表して山田学長や荒木朋洋九州キャンパス長(農学部長)ら教職員と田中さんら学生の代表が献花し、参列者全員で黙祷。終了後には参列者も順に献花の列に並び、地震で亡くなった方々に哀悼の意を示した。

特色を絶やすことなく農学部の復興を誓う

農学部の慰霊式は、建物の被災状況や安全面を考慮して、比較的損壊の少ない2号館と3号館前のスペースで執り行われた。熊本・阿蘇両校舎の教職員や農学部の代表学生17人を含む計約120人が参列。参加者は、大きな被害を受け使用できなくなった1号館に向けて設置された祭壇の前に整列し、全員で犠牲者に黙祷を捧げた。
 
追悼の言葉では、山田学長が亡くなった農学部生たちに向けて「この農学部をさらに前進させる」と誓い、続いて荒木キャンパス長が、「残念ながら同じ場所に建物を建てることはできません。しかし、農学部の特色を絶やすことなく、教職員一丸となり復興に取り組んでいきます」と決意を述べた。

学生も気持ち新たに未来への決意を語る
熊本校舎での学内集会に参列した江口麻耶さん(経営学部4年)は、「想像していなかった揺れに、ただただ驚きましたが、地震後は何か熊本の力になりたいと思い、募金活動もしました。女子バスケットボール部に所属しているので、スポーツを通じて地域を盛り上げていければ」と意気込む。教員志望の加藤康之さん(農学部3年)は、「この震災を風化させないように、子どもたちに経験を伝えていく」と決意を口にした。
 
農学部の慰霊式で献花した興梠早紀さん(同4年)は、「1年前のこの時間も同じように晴れていて、下宿と避難所を行ったり来たりしていました。1年が経ちましたが、地震が起きなければ慰霊式も行われなかったはず。“なぜ今、私は献花をしているんだろう”という思いでいっぱいです。志半ばで亡くなった3人の分も頑張る」と前を向く。農学部生たちは、「感謝の気持ちを込めて、地域のために活動できれば」とそれぞれに思いを語った。
 
(写真上)阿蘇校舎1号館を望むスペースに参列者が集い、犠牲者を悼むとともに、復興に向けて進んでいく決意を新たにした
(写真下)16日には南阿蘇村の追悼式も行われ東海大関係者も出席