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再建に向けた方向性を発表

2018/4/1

【農学部・大学院農学研究科】
新キャンパスや実習設備の充実を図る
宇宙情報センター敷地を活用 地域連携活動の活性化も

東海大学が、平成28年熊本地震で被災した阿蘇校舎に置かれていた農学部および大学院農学研究科の再建に向けた方向性をこのほど決定。3月19日に熊本校舎で山田清志学長が学生、教職員に説明を行ったほか、メディア向けに記者会見を開いた。熊本県益城町の東海大学宇宙情報センターの用地を新キャンパスとして教育環境のさらなる充実を図る。また阿蘇における実習フィールドの施設整備も進めていく。 ※肩書は当時

農学部と農学研究科は2016年7月の授業再開以来、暫定的に熊本校舎で授業が実施されてきた。阿蘇校舎では安全性を確保したうえで使用可能な部分での実習が行われている。東海大では、授業再開以降も継続的に授業運営について関係諸機関と連携して慎重に検討を進めてきた。

一方で、熊本校舎では研究室単位での圃場や家畜飼育などをはじめとする実習場が確保できず、近隣の施設を借用するなど教育環境の充実が課題となっていたことから、宇宙情報センターを活用した新キャンパスの整備を決定した。なお、基礎教育科目等の授業は引き続き熊本で、フィールド実習は阿蘇で実施される。

また今回の発表では、今年1月に環境省、熊本県との3者で締結した「阿蘇地域の創造的復興に向けた地域循環共生圏の構築に関する協定」に基づく研究プロジェクトや、学生主導によるチャレンジセンターのプロジェクト活動を中心とした地域創生プロジェクトを通じて、阿蘇校舎の所在する南阿蘇村における地域連携活動の充実も打ち出された。

なお、阿蘇実習フィールドにおいては実習等の教育を行うため、19年3月の竣工予定で実習用の施設が建設される。

今回示された基本的な方向性は、今後具体的に計画が進められ、引き続き関係諸機関と慎重な検討が重ねられる。学生、教職員に説明各自治体との連携も 19日に熊本校舎新1号館ロビーで行われた山田学長による説明会には、九州キャンパスの学生や教職員が多数出席。山田学長が今回の決定に至った経緯や今後の計画を説明した。

続いて実施された記者会見では、山田学長をはじめ平野葉一副学長(キャンパス連携担当)、荒木朋洋九州キャンパス長(農学部長)らが登壇。山田学長が今回の決定について説明し、「農学部の創造的な再建として、この機会にこれからの農業に必要な最先端技術を活用していくような、新境地を開く努力をしたい。これまでの取り組みも踏襲し、新たな農業の可能性を大学全体で考えていく」と決意を語った。

その後、山田学長らは熊本県庁で蒲島郁夫知事らに大学の姿勢を説明。蒲島知事は、「学生のキャンパス間の移動などでの利便性確保に県としても協力したい」と語った。

さらに平野副学長と九州キャンパス復興課の渡邊政彦課長が益城町と南阿蘇村の両役場を訪問し、益城町の西村博則町長、南阿蘇村の吉良清一村長とそれぞれ面談したほか、熊本地震前に農学部生の多くが暮らしていた南阿蘇村黒川地区の役員懇談会にも出席。今後の方針に理解を求め、協力体制のあり方などについて意見を交わした。

 
(写真上から)
▽山田学長が学生、教職員に今後の方向性を説明
▽会見では山田学長らが新聞社やテレビ局の記者に展望を語った
▽熊本県庁で蒲島知事=右端=らと会談