Column:Interview
2015年7月1日号
文武両道で目指す五輪と医師の道
Close up Women’ s ROOKIE
女子柔道部 朝比奈沙羅 選手(体育学部1年)

日本一、世界一を目指して東海大学の門をたたき、仲間とともに練習に励み、勉学にいそしむ―そんな女子ルーキーに迫る新企画「Close up Women's ROOKIE」。第1回目は、世界で活躍する柔道家でありながら医師を志す、女子柔道部の朝比奈沙羅選手(体育学部1年)に迫った。

まさに大型ルーキーと呼ぶにふさわしい。恵まれた体格もさることながら、朝比奈選手の輝かしい実績は女子重量級のこの世代で群を抜く。中学、高校と日本一のタイトルを手にし、2度の全日本ジュニア制覇。国際大会でも世界カデ選手権と世界ジュニア選手権で金メダルを獲得した。中学3年からはシニアの大会にも出場し、現在は全日本の女子78キログラム超級の強化選手としてすでに国内トップクラスの実力を誇る。

高校生だったころに練習に参加し、「ピリっと緊張感はあるけれども、充実して楽しい雰囲気の練習を見て、いいなと思った」のが、朝比奈選手が東海大学進学を決めた一つの理由。また、「柔道特別実習の授業で、山下泰裕先生(副学長、体育学部教授)や井上康生先生(同学部准教授)、中西英敏先生(同学部教授・女子柔道部監督)といった先生方に柔道の技を教えていただいています。その内容が濃く、他の大学にはないメリット」とも感じている。

3月中旬に入寮し、「洗濯が少し大変」と笑うが、高いレベルで柔道をできるという環境には心から満足している様子だ。

強みは向かう姿勢
中西監督は朝比奈選手について、「体格もバランスもよく、思いきりがよい。気持ちも前向きで相手に向かっていく姿勢が強み」と語り、その潜在能力を高く評価する。朝比奈選手が大将に控えれば、前の選手が積極的に勝負に行けるという意味で、団体戦のチーム力も格段に向上したといえるだろう。

ただ、自身は、「もうジュニアの選手ではない。組み手の改革や自分が有利になるような立ち位置を身につけるなど、今後重要になってくる細かい部分に取り組んでいます」と、さらなる成長を自らに課している。

女子部の名を全国に

そんな朝比奈選手は医師の両親を持ち、自身も将来は同じ道に進みたいという夢がある。

大学を決める際、いくつかの大学から声がかかったが、「柔道をしながら医学部で勉強もしたいと伝えたときに、面白いねと言ってくださったのは東海大だけでした」と言うように、挑戦する気持ちをくんでくれたことも東海大に進む決め手となった。医学部入学は今のところ実現に至っていないが、目下の目標である来年のリオデジャネイロ五輪以降は、医学部への転学部も考えているという。

中西監督が、「彼女は文武両道。夢を実現させるため、いろいろなことを吸収してほしい」と期待を寄せる朝比奈選手。充実した表情で、「女子柔道部の名を全国にとどろかせたい」と意気込んだ。(小野哲史)

 
(写真上)4月の皇后盃全日本女子選手権では5位に
(写真下)渋谷教育学園渋谷高校出身。攻める柔道が持ち味で、176センチの長身から繰り出す払い腰が得意技