News:学生
2016年2月1日号
緑の会に「熊日緑のリボン賞」
学生らが30年以上活動継続、歴史ある生け垣を手入れ

農学部の学生有志らによる団体「緑の会」に1月9日、熊本日日新聞社から「熊日緑のリボン賞」が贈られた。この賞は、社会奉仕や環境美化に取り組んできた個人・団体が表彰されるもの。緑の会は熊本県菊陽町の鉄砲小路で、30年以上にわたって生け垣の剪定活動を行っており、これまでの活動が高く評価された。

「緑の会」は1982年に農学部の故戸田義宏教授と長野克也教授、学生有志が、植物を環境保全や景観に生かすすべを実践的に学ぼうと発足させた。長野教授は、「当初はボランティアという言葉が十分知られておらず、無償で活動する我々への理解もなかなか得られませんでした」と振り返る。学生らが協力先を探す中で、受け入れてもらえた数少ない場所の一つが鉄砲小路だった。

江戸時代からの武家屋敷が並び、ツゲやサザンカの生け垣が連なっていたが、82年には生垣の荒廃が進み、手間のかからない石垣が増えていたという。「石垣は倒れると危険なうえ、生け垣の手入れをする必要がなくなれば外に出る人が減り、防犯上もよくない」と当時の学生たち。最初の活動では、約70人の学生と教員が毎年1日がかりで伸びた枝を整えた。

活動の成果もあり、その美しさが評価され、88年に熊本県から「くまもと景観賞」を贈られた。地域住民の意識も高まり、生け垣を手入れする習慣が戻ってきた。

近年では生け垣の状態がよく、剪定は学生30人ほど、3時間以内ですんでいる。「生け垣をひと目見ようと観光客が訪れ、地域活性化にもつながったことは想定外で、学生にとっても励みになりました」と長野教授。昨年11月7日には34回目の剪定を実施し、菊陽町から「地域振興功労賞」も受賞。同会の発足当初、計1キロほどだった生け垣は4キロに伸びていた。

「切ってよい枝、そうでない枝を知ることは植生の勉強にもなっています」と緑の会の学生代表・白石ももこさん(4年)。「先輩方から引き継いできた伝統を後輩に伝え、優れた景観を後世に残したい」と意気込んだ。

 
(写真上)34回目の作業に臨む学生たち
(写真下)「熊日緑のリボン賞」を手にする白石さん(左)と長野教授