News:付属諸学校
2016年2月1日号
東京の大気汚染調査
【望星高科学部】3年間で着実に成果

毎週金曜の放課後、付属望星高校(渋谷区)科学部の生徒たちは地図を片手に校外に出る。24時間前、数カ所に設置した窒素酸化物(NOx)を捕集するパッシブサンプラーを回収するためだ。校内に設置した微小粒子状物質(PM2.5)測定器のフィルターも回収して化学実験室に戻ると、捕集物の分析や重量の計測に集中する。

同部は科学技術振興機構(JST)の平成25年度「中高生の科学部活動振興プログラム」の採択を受け、都心と近郊のPM2.5およびNOxの大気汚染調査に取り組んでいる。生徒たちは東海大学理学部の関根嘉香教授や研究室の学生らの指導を受けてサンプラーの作り方や測定機器の使用方法などを学び、独自の調査を進めてきた。

2014年12月には、室内環境学会学術大会に唯一の高校生グループとして参加。昨年11月に開かれたJST主催の科学イベントでも調査結果を報告した。土岐知寛さん(3年)は、「学会などでの口頭発表は貴重な経験になりました。指導してくださった先生方や仲間に感謝しています」と話す。

PM2.5の調査結果は関根研究室の太田栞さん(大学院理学研究科2年)が一部加筆して英訳し、科学雑誌『The Global Environmental Engineers』の昨年12月号に掲載されるなど、大きな成果を上げている。

JSTのプログラムの採択期間は今年の3月で終了するが、調査は継続する。堀米巧都さん(2年)は、「活動を通して、知る楽しさを実感しました」と意欲的だ。同部の武政晃弘顧問(望星高教諭)は、「PM2.5の分析が進めば、発生源の特定につながる新たな知見を得られる可能性がある」と期待を語る。

部員は現在13人。寒河江薫さん(3年)は、「ぜひ部員を増やして、調査・研究を充実させてほしい」と話している。

 
(写真)PM2.5を捕集したフィルターの重量を慎重に計測する