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2016年4月1日号
星新一賞を受賞
“宇宙エレベーター”から着想
理系短編小説がグランプリに
佐藤 実 講師(理学部基礎教育研究室)

「“宇宙エレベーター”に思いを馳せるうちに、自然と物語の流れが浮かんできました」

執筆した短編小説『ローンチ・フリー』がこのほど、「星新一賞」一般部門のグランプリに選ばれた理学部の佐藤実講師。同賞は、SFやショートショート作品で知られる作家の星新一にちなんで、理系的な発想力を問う短編小説を一般、ジュニア、学生の各部門で公募するもの。第3回となった今回は一般部門に1449件の応募があり、3月12日に東京都内で表彰式が開かれた。

受賞作の核となる宇宙エレベーターは、地上と宇宙をケーブルで結び、クライマーと呼ばれる昇降機で人や物を輸送できる未来の装置だ。ストーリーはこのエレベーターが完成し、誰もが宇宙に行けるようになったことで、人生の目標を失った元宇宙飛行士がケーブルに人力の昇降機を取りつけて宇宙を目指すというもの。

佐藤講師は理学部で教鞭をとるかたわら、長年にわたって宇宙エレベーターの実現に向けた研究を続けるとともに、原理や仕組みを紹介する『宇宙エレベーターの物理学』(オーム社)を執筆するなど、周知にも力を入れてきた。

「仮に私一人だけが研究をしても、実現にはほど遠い。志を同じくする仲間がこの物語や本を通じて少しでも増えれば、夢はぐっと近づいてくる」

そんな思いから初めて応募した作品が栄冠に輝いた。「思いがけないことで大変光栄。受賞を励みに、これからも実現に向けて研究を続けたい」

 
(写真)3月12日に東京都内で行われた表彰式でトロフィーを受け取った佐藤講師