特集:東海大生200人に聞きました
2017年1月1日号
就業体験のはずが選考に?
多様化するインターンシップ

企業の現場を体験するインターンシップ。自分自身の職業適性を見極められたり、企業の雰囲気を体感できたりすることから、多くの学生が参加している。しかし、近年ではインターンシップとしながらも、業務とはかけ離れた内容を実施する企業も増えているという。多様化するインターンシップについて、就職活動を終えた4年生200人に聞いた。(構成・編集部)

「インターンシップに参加した」と答えた学生は56%。「企業の実態を知りたかった」が64人で最も多く、「自分の職業適性を知りたかった」が46人で続いた。 「志望する企業のインターンシップに参加し、自分の将来を想像しやすくなった。今まで興味のなかった企業にも足を運び、可能性を広げられた」(農学部・女子)という回答をはじめ、業界研究や自己分析に大きく役立った回答が並んだ。

しかし、「参加したインターンシップの内容は?」という質問では、「学生同士での課題解決ワークショップ」(76人)、「グループディスカッション」(49人)と答える学生も多く、就業体験とは異なる内容を経験した学生も多い。

「一次選考のようだったので、万全の準備で臨むべき」(文学部・女子)、「インターンシップを終えた時点で『内々定』をもらった友人がいた」(海洋学部・男子)との答えがあるように、インターンシップも選考の一過程として捉える企業もある。

進む期間の短縮化 適性を見極めて
昨年11月30日、日本経済団体連合会は、インターンシップについて、これまで「5日間以上」と定めていた条件を撤廃する方針を打ち出した。

すでに、経団連会員以外の企業では、説明会が解禁される前に、1、2日のインターンシップを実施している。学生の間では、「短い期間なので、手軽に参加できる」(情報通信学部・男子)と答える学生がいる一方で、「1日では企業の特徴や自分の適性がわからない」(観光学部・女子)と賛否が分かれている。

とはいえ、インターンシップの参加自体には、「期間によって内容に差はあるが、社会について知る貴重な経験を積める」(体育学部・男子)、「自分が将来何をしたいのかを見極められる。期間中に失敗をしても、爐海離潺垢鮗匆颪暴个討ら生かそう〞と切り替えられた。参加を迷っている人はぜひ挑戦するべき」(国際文化学部・女子)など、肯定的な答えが多い。

企業ごとに異なるインターンシップを事前に見極め、自身の就職活動に生かそう。

自分に合った企業を選択しよう
キャリア就職センター 水島久光 所長(文学部教授)

この2年間で、採用情報の公開が3年時の12月から3月に、選考開始時期が4年時の8月から6月に変更されました。

企業は学生に自社のよさを伝える期間が短くなり、短期間のインターンシップを利用し、学生と出会う機会を補いました。急増する短期間のインターンシップは、あくまで説明会や会社見学会ともいえるでしょう。

今回のアンケートでは、「短期間のインターンシップは意味がない」と答えた学生もいましたが、説明会だと思えば必要性も出るはずです。

インターンシップが多様化しようとも、長期間の就業体験の中で、自己分析や企業理解を深める重要性は変わりません。キャリア就職センターが開催する「東海JOB-LEAGUE」をはじめ、長期間のインターンシップは数多く存在します。内容を見極め、自分に合う企業を選択しましょう。

多くのインターンシップに参加するためにも、3年生の春には動き始める必要があります。授業との兼ね合いを検討しながら、ぜひ教職員とも話し合ってください。

インターンシップ中は、会社の内情だけでなく、関連企業にも目を向けると、社会の仕組みが見えてくるはずです。


学生たちの声から
Q. インターンシップのメリットやデメリット、後輩たちへのアドバイスは?
▼企業の内情がわかるだけでなく、同じ業界への就職を希望する仲間ができ、たくさんの情報収集もできた(観光学部・女子)
▼面接でたびたび聞かれる「入社後、どんな仕事がしたいですか?」という質問に具体的に答えられるようになった(理学部・男子)
▼インターンシップはあくまで自分の理想の企業なのかを確かめる機会。やみくもに参加してもあまり意味がない。目的を明確にして参加するべき(法学部・男子)
▼社会人として理解しておかなければならないメールのテンプレートをはじめ、大学では教わることができない経験を積めた(工学部・男子)
▼就職活動は情報戦。人脈やネットワークを広げられるのはインターンシップの大きな利点(工学部・男子)
▼「この企業に就職してみせる!」と気合いが入り、意欲的に準備を進められた(政治経済学部・男子)
▼インターンシップには参加しなかったが、本格的に就職活動を始めてから、自分が志望していた業種が合わないことに気づいた。低学年からインターンシップに参加しておけば見極めるのも早かったかも(農学部・男子)
▼インターンシップに参加すると早めに内定をもらえることもあるが、後から早まったと後悔することも……。自分に合った企業を探し続けることも大事(文学部・女子)
▼就職活動の中にはインターンシップのほかにもやらなければいけないことがあるので、自分のやるべきことを整理して取り組むべき(健康科学部・女子)
▼参加する時間や交通費を生かすも殺すも自分次第。努力は実るので、さまざまなことにチャレンジしてみてください(文学部・女子)
▼参加する企業によっては雑務しかさせてもらえないことがあった(経営学部・男子)
▼1社だけに参加するとその企業が魅力的に見えて、自分の視野が狭くなる。業種を問わず、複数の企業に参加したほうがよい(海洋学部・女子)
▼早い段階でインターンシップに参加したので、自分に合う企業が見つけられた(基盤工学部・男子)
▼平日に実施されることが多く、授業を欠席しなければならなかった(生物学部・女子)
▼短期のインターンシップは説明会同様に会社のよい部分しか見せてもらえなかった印象がある(理学部・女子)
▼企業への理解は深まるが、時間と交通費がかかるのがデメリット。インターンシップに参加したからといって、選考が有利に進むとも感じなかった(法学部・女子)
▼短期間はあまり意味がない。SPIの対策に時間を割いたほうが選考に生かせる(観光学部・男子)
▼長期間のインターンシップに参加したが、途中でだれてしまった(情報通信学部・男子)

 
【学生アンケート調査】●調査期間:2016年11月●調査対象者:東海大学在学生(札幌校舎14人、代々木校舎4人、高輪校舎9人、湘南校舎134人、伊勢原校舎10人、清水校舎13人、熊本校舎16人)●調査回答数:200人●調査方法:ヽ慇献皀縫拭爾縫瓠璽襪妊▲鵐院璽箸鯒杰し回答を得る▲ャンパス内でアンケート用紙を配布し回答を得る