特集:キャンパス展望
2011年3月1日号
学生とともに「健康」を考える
国際文化学部地域創造学科 塚本未来助教

「地域創造学科……?」と聞いただけでは、何を学ぶ学科なのかが分かりづらい。地域創造学科は「健康スポーツコース」と「地域づくりコース」の2コースから構成され、私は前者に属している。心身ともに豊かな生活を営むQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を「生涯スポーツ社会」で実現するために、健康やスポーツに関する基礎的な知識を学ぶコースである。今回は、日常の研究(ゼミナール)や課外活動を通した学生とのかかわりについて紹介したい。

今日の社会問題である生活習慣病は、不健全な生活の積み重ねが原因となって引き起こされているもので、日常生活の中での適度な運動、バランスのとれた食生活を実践することで予防することができる。中高年者のみならず、若年者においても深刻な問題である。このような背景にかんがみ、私は充実した社会生活を送る上での基本的な条件となる健康の維持・増進について、運動・食生活の視点から研究を行っている。

「健康によいと言われる食品」「疲労回復に効くサプリメント」は本当に効果があるのだろうかなどの興味や関心、疑問・批判を抱いた学生が塚本ゼミナールに集まっている=上写真。学生は「健康志向」が高く、さまざまな情報に敏感である。確かな事実なのだろうかと、その事実にいきつく過程でのゆさぶり・葛藤を楽しんでいるようにも見える。その反面、そんな学生たちの姿を目の前に私自身もドキドキする。試行錯誤しながらも健康教育にかかわる専門知識や理論を蓄え、学生自身の知識が知恵となって、日常生活に生かせる指導を展開していきたいと考えるからである。学生には負けていられない。

知識を知恵として試す場の一つに課外活動がある。私が顧問を務める女子バスケットボール部は、今年で創部4年目を迎える。同好会から公認団体へと移行し、2008年度3部優勝、09年度2部優勝、10年度1部4位と徐々に実績を重ねている。創部当初は練習に部員全員が集まることが少なく、自己の健康管理などまったく興味がない様子。しかしながら、健康・スポーツ科学に関する必要な情報を修得した学生の意識が、少しずつ変化し始めていることに気づく。少し前までは、「勝つための筋力づくりをしなきゃ。でも、筋肉質にはなりたくないな」など矛盾したことを言っていた学生も、自分で得た健康科学に関する知識を知恵として工夫しながら、必死にトレーニングに励む日々を送っている。

優秀な成績を残すことも大切であるが、それよりも、今後、社会の教育者としての役割を担う学生においては、「健康」に対する意識を価値づけることのできる資質を培っていきたいと考えている。ゼミナールや課外活動という集団での取り組みには、互いの成長を認め合える雰囲気が必要であり、価値ある具体像を提示できる私自身の力量が問われると考える。どの学生にも主人公になるための責任を持たせ、妥協のない集団、本音で語り合える集団で、自分らしさを表現できる学生の育成に力を注ぎたい。そのためにも私は「学生とともに、生き方を問い続ける」。

 

つかもと・みく 1982年北海道生まれ。北海道教育大学札幌校教育学部学校教育教員養成課程卒業。北海道教育大学大学院(札幌)教育学研究科教科教育専攻保健体育教育専修修了。専門は運動生化学・健康科学。