News:教育
2017年8月1日号
地域に寄り添い課題を解決
チャレンジセンター科目「プロジェクト入門A」
平塚市宮松町のマップを制作

学生がキャンパスから地域に出て、市民とともに課題を解決し、持続可能な地域づくりに貢献する――チャレンジセンター科目「プロジェクト入門A」を履修している学生たちが、「ららぽーと湘南平塚」周辺地域でフィールドワークを重ね、見どころをまとめたマップを制作している。街の魅力を紹介しようと奮闘する姿を追った。

「この授業ではキャンパスから一歩外に出て、現実の社会で起きている出来事に触れてほしいと考えています。その中で学生としてできることを考え、提案し、実行する過程を学んでほしい」と授業を担当する二ノ宮リムさち准教授(現代教養センター)は狙いを語る。

その背景にあるのは、東海大学が2018年度に実施するカリキュラム改訂で本格的に導入されるパブリック・アチーブメント(PA)型教育の実践だ。地域の課題を掘り起こし、学生が市民と協働して解決を図ることで、シチズンシップ(市民性)の養成を目指す。

今学期のこの授業では、昨年10月に「ららぽーと湘南平塚」が完成し、3000人もの就労人口が増えた神奈川県平塚市宮松町を対象に設定。学生たちは「地域とは何か」と題した座学や、ららぽーと周辺のコミュニティー形成をプロデュースしている吉澤卓さんによるゲスト講義などを受講し、5月23日にフィールドワークに出かけた。

宮松町自治会館を訪れ、石田文男自治会長から自治会の組織や役割について話を聞いた後、宮松町を散策。石田会長は、「ららぽーとと、その周辺にマンションができたことで宮松町の商店街を通る人も増えた」と説明する。商店街では後継者がおらず閉店した店や、新しく開店した店が混在しているといった現状についても見聞を深めた。

学生の視点を生かし街のよさを伝える
学生たちは、「宮松町のよさと、たくさんの学科がある東海大のよさを掛け合わせた企画をできないか」と意見を出し合い、マップを制作することに決定。発案者の一人、小林明弘さん(文学部4年)は、「長く住んでいる人にも、新しく住み始めた人にもあらためて宮松町のよさを知ってもらえればと考えました。マップを見てお店を訪れ、交流するきっかけにもなれば」と意図を語る。

7月11日には16人の学生が5班に分かれ、石材店や米屋、パン屋などを訪問。事業内容や店の歴史、オススメの商品などをインタビューした。同行した石田会長は、「最初は不安もありましたが、学生たちはしっかりインタビューしてくれた。街のいいところがたくさんの人に伝わるものを作ってほしい」と期待する。

二ノ宮准教授は、「PA型の授業では座学とは違い、思わぬことが起きたり、想像とは違う反応が返ってきたりすることもある。活動を通して学生たちが“地域に育てられている”のを実感している」と語る。

学生たちは今学期最後の授業を終えてからも、パワーポイントなどを使ってマップの仕上げを続けている。8月3日には宮松町自治会の役員らに、完成品を届ける予定だ。

 
(写真上)「八百屋コウタ」でインタビューする学生たち。代表の大庭幸多さん(右)は、「私たちも学生の意見を知りたいと思っているのでいい機会になった」と話す
(写真下)石田会長(右)の案内で商店街を散策