News:研究
2017年10月1日号
再生医療に役立つ新知見を発見
医学部・八幡准教授ら

医学部基盤診療学系の八幡崇准教授=写真=と安藤潔教授らの研究グループが、血液再生促進薬の開発に役立つ新たな知見の発見に成功。その成果が8月10日付で、医科学分野の論文誌『Blood』に掲載された。東海大学総合研究機構の採択を受けたプロジェクト研究「先端コンピューター科学を活用した創薬による再生促進法の開発」の一環で取り組んできたもの。

人の血管内を流れる白血球や赤血球はすべて造血幹細胞から供給される。通常、造血幹細胞は骨髄に留まっているが、必要に応じて全身を巡回し健康を保っている。この造血幹細胞の運動能を利用した医療が、骨髄移植などの血液再生医療だ。今回の研究では、TGFという物質が造血幹細胞の運動能を制御する働きを持つことを発見。その際に中心的な役割を果たすのが、TGFが誘導するPAI ― 1分子であることを解明し、PAI ― 1を抑制すると再生効率が高まることを明らかにした。

同プロジェクトではこれまでにも、PAI ― 1の活性を制御し、血液再生やがん治療に役立てる飲み薬の開発を進めており、臨床試験も行われている。今回の発見で、その薬剤の幹細胞に対する作用機構が明確になり、適応範囲が拡大する可能性が大きくなった。

八幡准教授は、「本プロジェクトではこれまで、基礎研究から新薬を開発し、臨床試験を実施するという独創的な創薬
基盤を確立してきました。その特徴を生かして全学の研究者と連携し、さまざまな疾患に広く活用できる新薬の開発に貢献したい」と話している。