News:研究
2018年1月1日号
産学連携で航空システムを開発
ソーラー無人飛行機技術を生かし

人工衛星とソーラー無人飛行機、ドローンを組み合わせて世界初の地上観測システムを開発する研究プロジェクト「衛星通信を利用するドローンの運行管理システムの開発」が始動している。東海大学が、スカパーJSAT(株)と宇宙航空研究開発機構、情報通信研究機構と連携して進めるもの。昨年11月27日から12月1日の日程で福島県のふくしまスカイパークに各研究機関が集い、東海大が開発したソーラー無人飛行機「サンファルコン2」を使った第1回目の飛行実験が行われた。

このプロジェクトは、昨年9月に新エネルギー・産業技術総合開発機構の公募事業「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」に採択され、今後3年間かけて取り組むもの。

海抜500メートル以上の高度で飛ぶソーラー無人飛行機を、通信衛星を使って遠隔地から操縦。さらに、ソーラー無人飛行機を通じて複数台のドローンの運行と管制を行い、災害で交通が寸断された被災地や海上などの情報を詳細に収集できるシステムを目指す。

東海大からは、ソーラー無人飛行機の開発実績が豊富な工学部の福田紘大准教授と木村英樹教授、新井啓之研究員らが参画している。福田准教授は、「ソーラー無人飛行機であれば、太陽光をエネルギー源に長時間飛行できるため、ヘリコプターなどに比べて環境負荷も少ない。遠隔操作できれば2次災害の防止や効率的なパトロールにもつながる」と話す。

プロジェクトを統括するスカパーJSATの高盛哲実氏は、「ソーラー飛行機の開発で高い技術を持ち、企業との連携実績が豊富な東海大がパートナーとして加わってくれた意義は大きい。空の利用で新しい未来を拓くプロジェクトをぜひ成功させたい」と話す。

飛行試験では、「サンファルコン2」を海抜約680メートルの高度で飛ばしてその飛行特性を確認したほか、高高度の環境下における発電量を計算するための基礎データを収集。ドローンとの通信を想定した地上との通信特性試験も行われた。

福田准教授は、「今回のテストで、今年度中の目標としていた試験は順調に終えることができた。来年度は、取得したデータをもとにより高い高度を飛行できる機体を開発する計画です。本学が長年にわたって培ってきたノウハウを生かし、迅速な災害対応や被災者救助に貢献できるシステムをつくりたい」と話している。

 
(写真)新しい空の利用法開発を目指すプロジェクトにプロジェクトメンバーの意気は高まっている