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2018年6月1日号
世界展開力強化事業を推進
ロシア・極東との交流深める

日露の信頼関係強化と経済発展に貢献する―。東海大学がロシア・極東との連携事業を活発に展開している。4月27 日には、8月に行われる「平成30年度海外研修 ウラジオストク航海」の参加者募集が終了。5月15日には極東連邦大学から山田清志学長に名誉博士の学位が贈られたほか、18日から20日にかけて行われた日露大学協会総会や日露学生フォーラムには、山田学長や学生らが参加した。

望星丸で研修航海 学生らが今夏ウラジオへ

「ウラジオストク航海」は、文部科学省の平成29年度「大学の世界展開力強化事業(ロシア)」の採択を受けた東海大学の「ライフケア分野における日露ブリッジ人材育成プログラム」の一環で行われる。

東海大学の海洋調査研修船「望星丸」に日本の大学生を乗せて8月8日に北海道・留萌港を出港し、ウラジオストクを訪問。現地でロシア人学生を乗せ15日に静岡県・清水港に帰港する。同事業の責任者を務める国際教育センターの山本佳男所長は、「独自の船を所有する東海大だからこそ実現できるプログラム」と語る。日本からは東海大のほか、北海道大学、新潟大学、近畿大学から選抜された学生が乗船。ロシアからは、極東連邦大学とサハリン国立総合大学の学生が参加する。参加学生は日露合わせて約100人になる予定だ。
船内では、極東地域の建築・都市や海洋にまつわる神話、海洋工学に関する専門家によるレクチャーのほか、ロシア語と日本語の講座も開講。スポーツ大会や両国の文化体験イベントも行われる。下船後には、ロシア人学生を対象に、日露交流の歴史やライフケア分野の現状に触れる研修も実施する。

企画を担当するグローバル推進本部の隈本純次長は、「さまざまな研究分野を学んでいる日露の学生が互いの文化や社会経済への理解を深め関心を持つきっかけにしてほしい。本事業で実施する中長期の留学プログラムへの参加意欲向上にもつなげたい」と話す。

今後は、書類と面接による審査を経て6月中旬に合格者が決定。7月28日に事前のオリエンテーションが行われることになっている。山本所長は、「現地を訪れ、船内という限られた環境の中で至近距離で語り合うからこそ発見できることも多いはず。この貴重な機会を満喫し、異文化交流の楽しさを実感してほしい」と語っている。

山田学長に極東大から名誉博士 長年の友好関係への貢献に

ロシア・極東連邦大学から5月15日、東海大学の山田清志学長に対して名誉博士の学位が贈られた=写真。極東連邦大学学術評議会でニキータ・アニシモフ総長による「両大学の間で築き上げられた強固なパートナーシップへの功績と、関係強化への情熱をたたえ、名誉博士の学位を授与したい」との提案が全会一致で承認されたもの。アニシモフ総長から山田学長に、学位記と記念の盾が手渡された=右写真。

授与式後、山田学長は答礼を兼ねて講演。世界平和の実現に向けて取り組んでいる東海大の国際戦略や、約30年にわたる両大学の交流の歴史を紹介。文部科学省の平成29年度「大学の世界展開力強化事業(ロシア)」の採択を受けて取り組んでいる「ライフケア分野における日露ブリッジ人材育成プログラム」の取り組みや「生活の質(QOL)向上」を主題として展開している両大学間の国際教育・研究活動などについて触れ、「極東大の名誉博士の一員になったことは大変な名誉。両大学の強固な関係は、両国間の友好にもつながると確信している」と語った。

札幌で日露大学協会総会 人材交流や経済協力を協議

日露の高等教育機関からトップが集う「日露大学協会総会(第7回日露学長会議)」が5月19、20の両日、札幌市で初めて開催された。東海大学から山田清志学長、吉川直人副学長らが出席。山田学長が日本側の大学を代表して基調講演を行った。

同協会は、2016年12月に実施された日露首脳会談で安倍晋三首相とロシア・プーチン大統領の立ち会いの下、日露大学協会に係る合意文書が交換されたことを受けて設立。日露の大学間交流の推進、学生交流の増加などを目的に、両国から25大学が参画している。

今回は、日本側から東海大や北海道大学、新潟大学など計23校、ロシア側からモスクワ大学や極東連邦大学など計13校が参加。今年度のテーマとして設定された「日露高等教育機関間の人的交流の拡充―人材交流委員会の設置に向けて―」や「日露経済協力に資する専門家の育成―専門セクション運営委員会の設置に向けて―」に関する発表や協議などが行われた。

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(写真上)望星丸は1989年に日本の民間船として戦後初めてウラジオストクに入港。今回は、4度目の訪問となる
(写真下)山田学長は東海大とロシアの交流について語った