News:研究
2018年8月1日号
日本学士院賞を受賞
文学部・三佐川教授

文学部歴史学科西洋史専攻の三佐川亮宏教授が2018年度の第108回日本学士院賞を受賞。6月25日に天皇・皇后両陛下のご臨席のもと東京・上野の日本学士院会館で開催された授賞式に出席した。学術上特に優れた論文や著書、その他研究業績に対して贈られる同賞は、1911年に創設され、日本の学術賞としては最も権威が高いとされている。 

三佐川教授はドイツ中世史が専門。北海道大学大学院を修了後、87年から91年までドイツ・ボン大学に留学し、北海道大助手を経て94 年から東海大学に着任。2011年から12年までオーストリア・ウィーン大学とドイツ・フンボルト大学に客員研究員として滞在した。今回の受賞は、13年に刊行された『ドイツ史の始まり︱中世ローマ帝国とドイツ人のエトノス生成』(創文社)に対して贈られたもの。ドイツ民族の形成を、中世ローマ帝国を枠組みに多角的に論じる視点と、年代記や国王文書、教皇文書、詩作品などの膨大な資料を駆使した文献実証主義的方法で解き明かしたことが高く評価された。

三佐川教授は、「各分野で高い業績を収めた理系の研究者が多い中、中世ドイツ史の地道な研究成果を評価していただいたことは大変光栄なこと。著書で扱った10世紀は、一見すると1000年も前で、現代とはかかわりのない時代のように思うかもしれません。しかし、異なる国家・民族によるEU統合が実現した背景には中世ローマ帝国のもとで育まれた一体感があるなど、決して現代と無関係ではありません。今後も研究を積み重ね、いずれは一般向けに中世ドイツ史を紹介する著作なども執筆したい」と話している。
 
(写真)賞状を手にする三佐川教授