News:学生
2011年4月1日号
学生ロケットの打ち上げ実験
“高高度化”に向けて前進

チャレンジセンターの学生ロケットプロジェクト(TSRP)が2月27日から3月7日まで、北海道大樹町の航空公園北側原野でハイブリッドロケットの打ち上げ実験を実施した。打ち上げのさらなる高度化に向けた技術の立証を目的としたものだ。

TSRPは、学生が独自のロケットを設計・製作。搭載計器の動作試験などを通じて知識と技術の習得を図るとともに、マネジメント力、コミュニケーション力向上を目指し、これまでも国内外でのロケット打ち上げ実験を重ねてきた。

今回の打ち上げ実験で学生実験責任者を務めた大崎大さん(工学部3年=当時)は「将来的な打ち上げ高度目標を5000メートルから1万メートルと設定しています。そのためのプ技術やロケットの姿勢制御といった必要要素技術の立証・確立に取り組んでいます」と話す。

1機打ち上げ成功失敗も今後の糧に
今回の実験には、メンバー18人が参加。TSRPが開発してきたハイブリッドロケットの技術を応用した「TSRP‐H23」と「同H24」の打ち上げに挑んだ。H23にはビーコン発信機を搭載するとともに、カナード翼と呼ばれる空中での姿勢制御翼を装着。打ち上げ機の回収と機体の姿勢制御技術の確立を目指した。H24には2段分離機構を搭載。2回に分けてパラシュートを開くことで、指定した範囲内に機体を落下させることを狙った。

H23は2日に打ち上げを予定していたが、積雪や燃料系統のトラブルにより3日に延期。それでも無事に打ち上げ、搭載していたすべての電子機器からのデータ取得とビーコンによる打ち上げ機の回収にも成功した。翌4日に打ち上げる予定だったH24は、トラブルから燃料である亜酸化窒素を使い切ってしまったため、残念ながら中止した。大崎さんは「せっかく完成した機構の実証ができず残念な面もありましたが、実験の実現に向けて関係各所と連携するなど、貴重な経験を積むことができました。今後の打ち上げに生かしていきたい」と話していた。

 
(写真上)H23を発射台に据える学生たち
(写真下)打ち上げには18人のメンバーが参加
Key Word ハイブリッドロケット
2種類の推進剤からなるロケットエンジンシステムで、一般的には固体燃料へ液体か気体の酸化剤を供給して燃焼を起こす。安価で安全性が高いことが特徴。TSRPでは、独自のハイブリッドエンジンを製作。主燃料に固形のWAX燃料、酸化剤に亜酸化窒素(液体)を用いている。