News:研究
2019年1月1日号
日ロeヘルス学術会議を開催
長期的な相互協力につなげる

昨年11月25日に東京都港区の政策研究大学院大学で、東海大学主催の「日ロeヘルス学術会議」が開かれた。
 
医学部の中島功教授(外科学系救命救急医学)が国際電気通信連合(ITU)の「eヘルス部会」(開発途上国での通信による遠隔医療支援を推進する部会)で議長を務めていることから、高い通信技術を擁するロシアと連携し、両国のeヘルス分野での長期的な相互協力に向けたスタートアップシンポジウムとして実施されたもの。当日は学内外から多くの研究者、学生らが参加した。

はじめに山田清志学長があいさつし、eヘルスの分野でロシアとの連携を強化していくと強調。続いて、東海大で医学部長や総合医学研究所長を歴任した政策研究大学院大学名誉教授の黒川清氏(東海大特別栄誉教授)が登壇し、世界における遺伝子研究の進捗状況や、テクノロジーの進化によって研究が進んだ事例などを紹介した。
 

また、日本とロシアの各大学からeヘルスの分野に携わる研究者が研究成果を報告。東海大からは中島教授が登壇し、今年5月に開催されたITU開発部門のスタディグループ総会で提案した「通信技術を用いた鳥インフルエンザの拡大防止策」について発表した。
 
中島教授は、「ロシアを中心とした25カ国による国際組織で使われてきた高軌道衛星システムは、建物による電波障害の多い日本の都市環境に適している。今後はロシアと協調し、周波数資源の新たな活用法をITUに提案していく」と語った。また、研究発表の合間にはポスターセッションも実施。医理工系の学生と研究者が研究成果をまとめたポスターを展示し意見を交わした。

ロシアの研究者が講演 健康管理にAIを活用

ロシア国立研究大学経済高等学院教授のピョートル・クゾネツォフ氏とロシア医療情報協会副会長のコンスタンチン・チェボタエフ氏による特別講義が、昨年11月26日に湘南校舎で行われた=写真。前日に政策大学院大学で東海大学が開いた日ロeヘルス学術会議」に両氏を招聘したことにあわせて行われたもの。健康学部を中心に学生約100人が出席した。
 
両氏は、「人工知能ツールを使った人間の健康管理」のテーマで講義。人工知能を活用してさまざまな分野の専門医師やヘルスコンシェルジュがステムなどを紹介した。ロシアの専門家団体の活動にも触れ、「よりよいシステムの実現には各国のサポートや専門家間の連携、ITとバイオメディカルなど複数の分野に通じた人材の育成が欠かせない」と語った。

 
(写真上)多くの聴衆が来場した
(写真中)新技術の構築について語る中島教授
(写真下)コンスタンチン・チェボタエフ氏による特別講義の様子