Column:Interview
2019年1月1日号
close up大学院生
学部4年間の課程を終え、さらに高度な分野を学び研究に打ち込みたい-。東海大学にはそんな思いを胸に進学した大学院生が約1000人在籍している。昨年末には、工学研究科と体育学研究科の大学院生が、学会での研究発表で成果を挙げた。

地盤工学会で2年連続受賞 コンクリの壁を緑にしたい
工学研究科1年 池谷真希さん

大学院工学研究科土木工学専攻1年の池谷真希さんが昨年11月20日に、地盤工学会関東支部研究発表会の優秀発表者賞を受賞した。11月2日に開かれた同学会の発表者の中から、優れた講演と討議を行った人に贈られるもの。池谷さんは昨年度に続いて2年連続の受賞。指導教員の杉山太宏教授(工学部)は、「同学会で2年連続受賞できるのは極めてまれ。本人の頑張りが評価された」と語る。
 
池谷さんは、高速道路や山岳部にある斜面(法のり面めん)の緑化を研究。法面はコンクリートで固めるのが一般的だが、景観が悪くなってしまう。そこで、植物を使って地盤を補強することで、景観の向上や二酸化炭素排出量削減につなげる方策を考案してきた。
 
この分野はほとんど先行研究がなく、「学会では研究者から、興味があるけれど難しいとの声が寄せられます」と池谷さんは語る。これまでの研究では、草を植えた状態で土の強度変化を定量的に調べる手法を開発。硬さの異なる土を使って草の根の成長量を比較するなど、一つひとつ成果を積み重ねてきた。
 
「最近は農学も学ぶようになり、研究の幅も広がってきました。その分面白さも増しています。できる限り多くの成果を残して、興味のある人が『やってみよう』と思えるような土台をつくりたい」と語っている。


ポスター発表で最優秀賞 講義主体の運動指導を提案
体育学研究科1年 宇野真里子さん
 

大学院体育学研究科1年の宇野真里子さんが、昨年11月24日に沖縄県・名桜大学で行われた日本生涯スポーツ学会第20回大会の「ポスター発表(大学院生部門)」に参加。「講義主体のインセンティブ付き健康運動教室でも体力や睡眠は改善する」と題した研究で、最優秀賞に選出された。
 
この研究は、講義形式の運動指導とウォーキング事業をかけ合わせたもの。歩数に合わ
せてポイントが貯まるインセンティブ形式の健康づくり促進事業を行う伊勢原市と協力して約半年間調査。市民がポイントを貯めるために日中歩くことで下肢の筋力が強化され、睡眠の質改善につながることを数値で証明した。 

「従来の運動教室は、参加者が運動指導士に習ってトレーニングやストレッチなど直接的な運動指導を行います。しかし、今回実践した形式であれば、指導者不足の土地でも実施でき、市民が日常の中で自主的に運動することを促進する効果もある」と、新しい運動指導の形を語った。
 
運動指導士の資格を持ち、研究者としての道も歩み出している宇野さんは、「健康に関する情報は、メディアや口コミで誤った内容が伝わってしまうことが多い。将来は研究者としての知見や情報を持ちながら、科学的根拠に基づいた指導ができるようになりたい」と意気込んでいる。

 
(写真上)植物相手のため研究には時間と根気がいる。「一緒に取り組んでいる後輩に感謝したい」と語る
(写真下)「この結果を糧に、もっと頑張ろうと気持ちが引き締まりました」と笑顔を見せた