News:研究
2019年2月1日号
自己細胞シートで膝の軟骨再生

【医学部付属病院】
世界初の治療を開始

医学部医学科外科学系整形外科学の佐藤正人教授らが開発した「自己細胞シートによる軟骨再生治療」が、1月10日に開催された厚生労働省の先進医療合同会議で、先進医療Bとして「適」の判定を受けた。先進医療として認められた医療技術は、臨床の現場で有効性や安全性などを評価した上で、保険適用の可否が判断される。一定の施設基準を満たした医療機関のみで実施され、一般の保険診療との併用が認められる。

医学部付属病院では今後、再生医療等安全性確保法にのっとり、学内の特定認定再生医療等委員会で審議。法的手続きを経て厚労省の正式な告示を受けた後、変形性膝関節症で高位脛骨骨切り術が適応となる患者の軟骨欠損に対し、世界初となる細胞シートによる再生治療を開始する。

変形性膝関節症は、加齢やO脚などにより膝関節の軟骨がすり減り、進行すると歩行が困難になる難治性の疾患。人口の高齢化に伴う患者数の増加が懸念される中、根本的な治療の開発が待ち望まれてきた。同治療は、本人の膝関節から軟骨細胞を採取し、温度応答性培養皿で作製した細胞シートを移植して、軟骨を修復再生させる。細胞シートを用いた研究は2004年に開始され、06 年に修復再生効果を世界で初めて報告。11年に厚労省の承認を得て臨床研究を続け、治療効果や安全性を確認してきた。

佐藤教授は、「ヒトの自然治癒力を最大限に生かす治療法。患者さんが高齢になっても元気に活動できるよう、保険適用を目指して努力を続けたい」と話している。

 
(写真)「治療を加速させたい」と佐藤教授
(図表)医療技術の概要図