News:教育
2019年2月1日号
海洋学部生が商品開発
地元企業や水産加工振興センターと連携

海洋学部水産学科食品科学専攻の後藤慶一教授の研究室に所属する浅野滉人さん(4年)が開発した和食に合うパン「駿河の国から“和なごみ”だしパン」が、昨年12月20日から静岡市内のベーカリーで販売されている。また、村瀬有軌さん(同)は北海道根室市産の水産物を用いたレトルト食品を開発。商品化を目指している。

ラジオ番組ともコラボ
浅野滉人さん

卒業研究の課題として浅野さんが開発した「出だ汁しパン」は、「和食に合うパン」がコンセプト。開発段階から商品化を目指し、静岡県内でパン店「ピーターパン」を4店舗運営する螢Εンウィンと連携してきた。また、静岡県内のK︱mixラジオの番組「おひるま協同組合」ともコラボし、後藤教授や浅野さんが出演。番組内で商品名の公募も行われた。
 
開発では、パンに使う粉の種類や形状、出汁の種類までさまざまな組み合わせを試作。後藤教授と浅野さん、研究室の学生たちが試食を繰り返し、出汁は清水区蒲原の訐照商店製かつお出汁に決めたほか、ピーターパンするが工房静岡駿河店の河合瑞季店長の助言で米粉を使用し、丸めた形状に決まった。ほかの食材との組み合わせについては、短期大学部食物栄養学科の高塚千広准教授が監修し、バターソテーにしたしいたけやかき揚げなどとの相性がいいことを明らかにした。
 

完成した「出汁パン」は焼き立てのプレーンとかき揚げサンドの2種類が店頭に登場。販売直後から好評を得て、週末には売り切れることも。浅野さんは、「自分が考えたパンが実際に販売されて感慨深い。社会人の方々が商品化に向けて力を入れてくださる様子に触れ、熱意をもって取り組むことの大切さを学びました」と語り、後藤教授は、「この成果を生かし、今後は『健康にいいパン』なども考えたい」と話した。

(写真右)地域の人気店であるピーターパンに並んだ「出汁パン」はプレーンが1個150円、かきあげサンドが230円。発売当初から人気を博している

 
根室産水産物を活用
村瀬有軌さん

村瀬さんが開発したのは「根室産花咲がにと北海しまえびのビスク」と「根室産たこのアヒージョ」の2品。昨年10月9日から12月7日まで、海洋学部と相互協力協定を結んでいる根室市の水産加工振興センターで研究を進めてきた。

ビスクは、花咲がにと北海しまえびで取っただしにカニのハサミとエビの頭が入っており、牛乳や生クリームを加えて調理する。

ミズダコとヤナギダコ、マッシュルームを使用したアヒージョは唐辛子で辛みを加えてあり、お酒のおつまみとしても楽しめる。どちらも真空パックと缶詰製品の2種類を用意した。

「大学の研究室でビスクの試作を繰り返し、現地に行ってから改良を加えていきました。ぶつ切りにしたカニをゆでてだしを取り、取り出したカニをオーブンで焼いて、再び旨味を抽出することで風味豊かなスープに仕上げました。カニの赤い色のもととなるアスタキサンチンは油にとける性質があることから油を少し加えて色味にもこだわりました」と振り返る。

「アヒージョは、もともと水産加工振興センターで試作されていたものを引き継ぐ形で完成させました。一度加熱したタコを100℃で45分間蒸すことで柔らかさを追求。マッシュルームとの食感の違いも楽しんでほしい」と語った。現在は成果を卒業論文としてまとめる一方、根室市内の企業2社に売り込んで商品化を目指している。

(写真右)完成したビスク(手前左)とアヒージョ(同右)。「熱心に指導してくださった水産加工振興センターの方々にも感謝したい」と村瀬さん