Column:Interview
2019年6月1日号
国際緊急援助隊として医療活動
台風で被災したモザンビークで
医学部看護学科 大山 太准教授

3月中旬、アフリカ南部に位置するモザンビークはサイクロンで大規模な被害を受けた。日本政府は国際協力機構(JICA)を通じて国際緊急援助隊・医療チームを派遣。医学部看護学科の大山太准教授はその2次隊として、医師や看護師ら23人とともに4月5日から18日まで医療支援活動に従事した。
 
救急看護や災害医療が専門の大山准教授は、これまでも地震や台風などで被災した国や地域で国際緊急援助隊員として活動してきた。「生活基盤も命も失われてしまう悲惨な環境にいる人々の健康を守るのも、医療従事者の使命」と語る。
 
現地では、壁だけが残された学校の校舎にブルーシートの屋根を張り、救護所を設置。衛生状態の悪化によるコレラなどの感染症の蔓延を防ぐため、血液検査や健康状態の確認、治療に取り組んだ。

活動の際は、被災者やスタッフへの誠意と敬意を忘れない。「その思いが通じたのか、現地の通訳さんたちが、隊員一人ひとりに似合う色を選んで民族衣装を作ってくれました。こうした交流が何よりも励みになります」と顔をほころばせる。
 
「国際緊急援助隊の一隊員として日本の代表で貢献できるのは、国際支援の重要性を認識して派遣を承諾してくれる大学や学科の先生方の理解と協力のおかげ。だからこそ、その経験を教育や研究に生かさなければならない」という強い信念がある。「看護師は、言葉や文化の壁をこえ、医療の枠をこえて社会に貢献できることを、学生たちに伝えたい。勉強に集中できる環境が“当たり前”ではないことを意識し、世界の情勢に目を向けてもらえたらうれしい」

 
(写真)子どもを励ましながら救護所に運ぶ大山准教授(写真提供=JICA)