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2019年10月1日号
陸上競技部駅伝チーム 大学駅伝三冠へ
陸上競技部駅伝チームが、10月14日に島根県出雲市で開催される出雲全日本大学選抜駅伝競走に出場する。今季は11月3日の全日本大学駅伝対校選手権大会、来年1月2、3日の東京箱根間往復大学駅伝競走と合わせ、チーム史上初の「大学駅伝三冠」を目指す。黄金世代と称される4年生を中心とした厚い選手層を武器に悲願達成を目指す戦いが幕を開ける。

【10/14】出雲駅伝号砲 「優勝しか考えていない」

シーズン開幕に向けて選手たちは、8月から9月にかけて、長野県・白樺湖やアメリカ・フラッグスタッフなどの高地でトレーニングを積んだ。9月16日から24日には、北海道・紋別市で最終合宿を張った。各区間の距離が短い出雲路を想定し、スピードを養うメニューが中心で、「高地で心肺機能を強化してきたこともあり、スピードが上がっても楽に走れた」と多くの選手が充実した表情を見せていた。
 
昨年度の箱根駅伝8区で区間新記録をマークした小松陽平選手(体育学部4年)や歓喜のゴールテープを切った郡司陽大選手(同)も順調に練習を消化。両選手とも「完璧な夏合宿を過ごせた。優勝しか見ていません!」と口をそろえた。また鬼塚翔太選手(同)は、8月にアメリカでマラソンの現日本記録保持者の大迫傑選手(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)とともに練習に励むなど、力をつけている。西川雄一朗駅伝副主将(体育学部4年)は、「チーム初の三冠を果たし、最高の形で有終の美を飾りたい」と力強く語った。

歴代エースに自身を重ね 「他を圧倒する走りを」

黄金世代を中心に各駅伝で区間賞を狙える選手がそろった今年のチームだが、紋別合宿で際立って好調だったのは、阪口竜平選手(同)だ。昨年度の箱根駅伝7区では首位を走る東洋大学との差を1分8秒から4秒にまで縮める力走を見せた。

今夏は、世界選手権大会や東京五輪の3000メートル障害への出場を目指し、ヨーロッパを転戦。紋別合宿では、練習メニューの走行距離を自主的に増やすなど走り込んだ。
 
「トラックで磨いてきたスピードは駅伝にも生かせる。コンディションの仕上がりは10割」と阪口選手。「箱根駅伝で3度の区間賞を獲得した佐藤悠基選手(体育学部卒・日清食品グループ)や2区で17人抜きの快走をした村澤明伸選手(同)のように他を圧倒するエースの走りを見せたい」


次代のエースに――期待の3年生トリオ

2016年度の全国高校駅伝競走大会「花の1区」。名取燎太選手(体育学部3年)が区間賞を獲得し、2位には塩澤稀夕選手(同)、3位には西田壮志選手(同)が入った。
 
3人はそろって東海大学に進学。西田選手は昨年度の箱根駅伝5区で区間2位の好走を見せるなど成長を遂げた。
 
その一方で、名取選手と塩澤選手は2年間故障に苦しんだが、地道な走り込みや走法を見直すことで、今年に入ってともに復活。3月の記録会では、塩澤選手が1万メートルで28分37秒15の好記録をマーク。5月の関東学生対校選手権大会(関東インカレ)ハーフマラソンでは3位に西田選手、5位に名取選手が入った。
 
夏合宿でも3選手ともに全メニューを走りきり、順調な調整ぶりを見せている。“3年生トリオ”がそろって挑む初めての駅伝シーズンに向けて、名取選手は、「長い距離で力を発揮できるようにトレーニングを積んできた。全日本大学駅伝や箱根駅伝で区間賞を獲得したい」と闘志を燃やす。塩澤選手は「持ち味のラストスパートを生かし、チームを三冠に導く走りが目標」と意気込みを語り、両選手の復活を「心待ちにしていた」西田選手も、「お互いに“練習でも負けたくない”と切磋琢磨しながら、力をつけてきた。今年は僕らの代が、4年生に負けないくらいの活躍をしたい」と笑顔を見せていた。

両角速駅伝監督(体育学部准教授)からの期待も大きく、「今年度の活躍はもちろん、黄金世代が卒業する来年度に向けても、チームを引っ張ってほしい」と語っていた。


日本インカレVの飯澤選手ら 有力ルーキーも多数

チーム内に大学駅伝界を牽引する上級生が数多くいる中で、ルーキーもメンバー争いに加わるべく、着実に力をつけている。
 
中でも注目は、9月12日から15日まで岐阜メモリアルセンター長良川競技場で開催された日本学生対校選手権大会(日本インカレ)1500メートルで優勝した飯澤千翔選手(体育学部1年)だ。 

決勝ではスタート直後から桜美林大学のダニエル・カヨウキ選手(1年)が集団を引っ張り、飯澤選手がその背後にピタリとついた。ラスト1周の鐘が鳴ると、集団が一気に加速し、その先頭に飯澤選手が立つ。ラスト100メートルでは後ろを振り返ることなく、さらにスパート。右手を突き上げながらトップでフィニッシュした。

関東インカレに引き続き、2冠を達成した飯澤選手だが、6月の日本選手権では決勝に進出するも、最下位に終わる屈辱を味わった。大学進学後初めての敗戦に、「一時はスランプに陥った」時期もあったという。それでも、「ダメなときに慌てても仕方ない」とじっくり走り込みを続け、本来の走りを取り戻していった。
 
ルーキーながら学生日本一に輝いた新星は駅伝シーズンでの活躍にも意欲を見せる。「1500メートルが専門だが、仲間とともに駅伝でも結果を残したい。強力な先輩たちもいるので、メンバー争いは熾烈だが、スタミナをつけてチームの優勝に貢献する」
 

ほかにも、夏合宿で先輩に負けない走りを見せた松崎咲人選手(体育学部1年)や金澤有真選手(政治経済学部1年)、竹村拓真選手(情報理工学部1年)らが虎視眈々とメンバー入りを狙う。頼もしいルーキーの存在に両角監督は、「3人ともフォームに無駄がなく、将来性が高い。故障なく練習が積めれば、今年度から面白い存在になる」と笑みを浮かべていた。

【指揮官が語る】
駅伝シーズン開幕 覇権を争うライバルたち

今年度の駅伝シーズンで覇権を争うライバルは――。

両角監督は、昨年度の出雲駅伝と全日本大学駅伝を制した青山学院大学、箱根駅伝の往路を制した東洋大学とともに、駒澤大学の名前を挙げる。夏の記録会でも多くのランナーが好記録を連発し、「9月15日のマラソングランドチャンピオンシップでは卒業生の中村匠吾選手(富士通)が優勝した。大舞台で結果を残した先輩が出たことで、選手たちのモチベーションも高いはず」と分析した。 

強豪大学の名が挙がる中、両角監督が「台風の目になるのでは」と警戒するのが國學院大學だ。「昨年度の箱根駅伝5区で区間賞を獲得した浦野雄平選手(4年)をはじめ、トラックシーズンで好成績を残した選手が6人いる。6区間の出雲駅伝では特に侮れない」と話した。
 
「各チームが力をつけているのは間違いないが、東海大の選手たちも意識を高く持ってトレーニングを積んできた。三冠はたやすいことではないが、選手とともにチームの悲願を達成したい」
 
(写真上から)
▼紋別合宿で走り込む鬼塚選手(中央)ら
▼最後の駅伝シーズンに向けて調整する阪口選手
▼駅伝シーズンでの活躍に注目が集まる(左から)塩澤選手、西田選手、名取選手。西田選手は、「4年生と走る最後の駅伝シーズン。先輩たちのおかげで強くなれたので、恩返しができるよう結果を残したい」と意気込んでいる
▼1500メートルで学生日本一に輝いた飯澤選手
▼(左から)金澤選手、松崎選手、竹村選手