News:研究
2019年10月1日号
第4回「農・食・健」QOLセミナー
水産と食の健康テーマに

9月20日に静岡市清水産業・情報プラザで、第4回「農・食・健」QOLセミナーが開催された。食や健康分野に関連のある企業や行政機関の人々に研究成果を紹介し、社会実装を見据えた共同研究などに向けてマッチングを図ることが目的。今回は、「水産と食の健康について―東海大学のシーズから―」をテーマに4人の教員が登壇し、約50人が参加した。
 
山田清志学長と秋山信彦海洋学部長のあいさつに続いて、東海大学創造科学技術研究機構の浅川倫宏准教授(現・海洋学部)が、「海洋由来の食品に含まれる機能性成分の有効利用」と題して講演。自身が取り組んでいる食品有機合成研究について解説し、「よく効くという情報があれば摂取する人が増え、機能として効く対象が明らかになれば新しい食品や薬につながる。そのための情報提供ができるよう研究を進めていきます」と語った。
 
生物学部の北夕紀准教授は「QOLの立場から海棲哺乳類との共生を考える」をテーマに、海を取り巻く環境について専門である鯨類の調査・研究を絡めて説明。短期大学部食物栄養学科の高塚千広准教授は「健康を考えた料理のレシピづくり」として、日本人の魚離れや野菜摂取不足の進行に伴う病気の可能性などを解説し、学生と開発したライフステージに応じたレシピを紹介した。
 
最後に副学長(医系担当)の坂部貢医学部長が、「外部環境因子とQOL―次世代の健やかな未来のために今できることは?―」について講演した。妊娠12週までに胎児が母親を介して環境中の化学物質から受ける影響を解説し、自閉症や発達障害と環境中の化学物質との関連性などが多く報告されていることを説明。「体に悪いという科学的なエビデンスが出る前に予防する、予防原則がQOLを上げる基礎になるのでは」とまとめた。
 
情報交換会では静岡県の難波喬司副知事が、「農業・水産・海洋、そしてヘルスケアは県としても力を入れている分野。今後もご支援いただき、発展につなげたい」とあいさつし、参加者が交流を深めた。

 
(写真)多くの参加者が熱心に耳を傾けた