Column:Point Of View
2020年2月1日号
Universityの楽しみ方
健康学部健康マネジメント学科 古城隆雄 准教授

大学にはさまざまな学問分野の先生がいて、それだけ視点があります。いろいろな視点を知れば世界観(universe)が広がるはずです。今回が私の最終稿なので、心に残っている講義を紹介しましょう。

ある社会学の講義。「高齢者は65歳以上なんて、誰が決めたの?今の65歳は元気で、昔とは違う。高齢化が問題ならば、実態に合わせて、定義を75歳、80歳にすればいい」。表面的なことではなく、問題は何かを考える視点を教えてもらいました。

ある交渉論の講義。「交渉は、勝ち負けではない、大切なことは交渉の目的を意識して、それに到達できたかという視点が必要だ」。交渉とは、勝ち負けとのイメージしかなかった私には衝撃でした。

ある金融工学の講義。「危険とリスクは異なる。危険は、確率100%のことだが、リスクは物事が起きる振れ幅や大きさのこと。リスクが大きいとは、損得どちらも生じる可能性が大きいことなんだ」。リスクは悪いイメージしかありませんでした。

ある社会保障の講義。「年金は、保険であって、保障ではない。だから、全員が保険料以上の年金を受け取れることはない」。いかに制度を知らないかを思い知らされました。

ある医学の話。「そもそもかぜ自体を治す薬はないのです」。原因となるウイルスは数えきれず、かぜ薬の目的は症状緩和らしいです。

ある憲法学の講義。「そもそも憲法は国の権力を縛るためのもので、憲法は国民から国に向けてのもの」。全く逆と思っていた人、多いはずです。

あるインターネット論の講義。「いつかすべての物がインターネットにつながる時代が来る」。電話回線で、パソコンをつなげて通信するのがやっとの当時は、全く理解できませんでした。今やIoTの時代、その先見性に脱帽です。

ある意思決定論の講義。「私たちは、自分自身の認識した世界に縛られてる。だからその認識を問い直すことから始める必要がある」。自分自身の認識を疑うなんて考えてみたこともありませんでした。

皆さんはせっかく総合大学にいるのですから、学部にとらわれず、いろいろな視点があることを学び、あなたのuniverseを広げてください。

(筆者は毎号交代します)