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2020年2月1日号
【記者の目から】黄金世代ラストラン
笑顔と涙のゴール裏

各校のアンカーにタスキが渡ったころ、大手町のゴール裏には箱根路を駆け抜けた選手が集まり始める。「すごかったな」「次は負けないから」。チームの垣根をこえて、“ノーサイド”でたたえ合う恒例のシーンだ。

青山学院大学がトップでゴールし、目の前で胴上げが始まると、東海大の選手たちの表情から先ほどまでの明るさが消えた。

「笑顔で終わろう」。暗いムードをかき消すように西川副主将が仲間たちに呼びかける。「連覇に向けて懸命に努力してきた。やれることはやってきた」。そんな思いから出た言葉だったという。

東海大のアンカー・郡司陽大選手(体育学部4年)は笑顔で館澤主将、西川副主将のもとへと駆け込んだ。しかし、その背後にいた仲間たちに両手を合わせた瞬間、郡司選手の目から大粒の涙があふれ出した。その姿に、気丈に振る舞っていた西川副主将らの頬にも涙が伝った。

総合タイムは大会新記録で優勝した前回を4分近くも上回った。「やれることはやってきたから仕方ない」「でも勝ちたかった」

複雑な思いを抱く4年生に向けて両角監督は感謝を口にした。「彼らと過ごす中で、指導者である私も数多くの貴重な経験を積むことができた。チームに勝利へのこだわりを残してくれた4年生に心から感謝しています」

2017年度の出雲駅伝、18年度の箱根駅伝、19年度の全日本大学駅伝での優勝に大きく貢献した黄金世代。後輩たちがその意志を継ぎ、チームを再び箱根の頂へと導く。 (の)

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(上写真)チームメートに手を合わせる郡司選手(中央)
(下写真)笑顔で声援を送る選手たち