News:付属諸学校
2020年3月1日号
【熊本星翔高】夢を追う過程の大切さ語る
車いす陸上選手が講演

付属熊本星翔高校で2月3日、東京オリンピック・パラリンピック教育講演会が開催された。同校では、平和や歴史への理解を深め、福祉や社会に対して生徒に興味関心を持ってもらおうと五輪をテーマに講演会を実施している。今年度2回目となる今回は、熊本県南阿蘇村出身で、車いす陸上選手の中尾有沙選手(衢艦対)が「夢への挑戦」をテーマに講師を務め、生徒や教職員ら約940人が参加した。

幼いころから陸上競技に打ち込んできた中尾選手は2016年、28歳のときにトレーニング中の事故で胸椎圧迫骨折の大けがを負い、車いす生活を余儀なくされた。熊本県陸上競技選手権大会の三段跳びで10連覇、走り幅跳びでは9連覇を果たし、15年の日本陸上競技選手権大会の三段跳びでは13メートル09(熊本県記録)を跳び、初めて日本一も手にしていた。

講演では競技生活とけがを振り返り、「後悔しても仕方がないと前向きな気持ちでリハビリに専念する中で、“これまで打ち込んできた陸上競技を続けたい”と車いす陸上の世界に飛び込み、東京五輪出場という新たな夢を見つけた」と語った。

17年には全国障害者スポーツ大会の女子100メートルと200メートルで優勝。18年からは、障害者の生活やスポーツについての理解を深めてもらおうと、県内外で精力的に講演活動などを行っていることも紹介した。

生徒たちに、「結果ではなく、夢までの過程が大切」と訴え、「東京大会出場はかなわないかもしれないけれど、その過程で努力することが24年のパリ大会、28年のロサンゼルス大会につながる。私は必ずパラリンピックに出場する」と強い決意を語った。

生徒たちは、「“失ったものを数えるのではなく、残されたもので限界まで努力する”という言葉が印象に残りました。どんなに苦労しても、成功するまで頑張るんだという気持ちになりました」「講演を聞いて、自分があきらめかけていた義足や義手の人を助ける仕事をあらためて目指そうと思いました」と口々に感想を話していた。

 
(写真)パラリンピック出場の夢を語った中尾選手