Column:Interview
2011年8月1日号
心技体で頂点をつかむ
無差別団体4連覇 男子柔道部・上水研一朗監督

大会史上3度目、チームとしては2度目の4連覇、さらに前人未到の17度目の日本一――。6月24日から26日まで日本武道館で開催された全日本学生柔道優勝大会(無差別団体)で、男子柔道部が新たな金字塔を打ち立てた。2008年の監督就任以来、この大会で勝ち続ける上水研一朗監督(体育学部講師)に“東海柔道”の強さの秘密を聞いた。

「私が指揮をとった過去3年間のチームを見ても、今年が最も力のあるチーム。だからこそ、絶対に優勝すると強いプレッシャーをかけて大会に臨みました」。チームをまとめる吉田優也主将(体育学部4年)をはじめ、羽賀龍之介選手(同2年)、高木海帆選手(同3年)、中矢力選手(同4年)ら国際大会でも活躍する選手を多数擁する“最高のチーム”を作り上げた。

「確かに実力者が多く、試合でもポイントを計算できる布陣を組むことができる。しかし、そこで選手たちに油断が生まれることが怖かった」。選手たちにはいつも“誰かに依存するな”と話す。「エースに頼り切るチームでは勝てない」からだ。

徹底的なミーティングでいかなる場面にも対応

常に日本一、世界一を目指すチームを率いる指揮官が重視するのが、選手たちとの相互理解。「けいこは道場だけでするものではない。選手たちと何度もミーティングを重ね、練習の目的、試合での戦法をくどいほどたたきこみます」

選手が練習の意味を理解していなければ実力にはつながらない。戦術、戦略を徹底して試合に臨まなくては結果は出ない。心技体のバランスが取れてこそ、目標が達成できるのだ。「どんな実力を持った選手でも、試合が思うままに進むことはありえない。必ず最悪の場面を想定してなくては、いざというとき対応できない。臨機応変に気持ちを切り替え、やけくそではなく開き直れなくては」

真の大学日本一へ 体重別団体制覇目指す

団体で次に目指すのは、10月末の全日本学生体重別団体優勝大会制覇だ。昨年度は決勝で筑波大学に敗れ、「団体2大会どちらも制してこそ、真の大学日本一」とリベンジへの意気は高い。「団体戦で優勝するチームは満月のようなもの。どこかが欠けていては負けてしまう。いかに満月の状態を本番に持ってこられるか、ピークを合わせられるよう指導していく」

その先には、早くも史上初の“無差別団体5連覇”も見据える。「今、大学柔道界では『打倒東海』が合言葉。誰もなし得たことのない記録には大きなプレッシャーもかかる。しかし、目をそらしてはいけない。挑戦できる喜びを感じながら、準備していきたい」

 
(写真上)あげみず・けんいちろう 1974年熊本県生まれ。東海大学大学院体育学研究科修了。現役時代は綜合警備保障に所属。2004年度から体育学部講師。
(写真下)今年4月から柔道部OBでアテネ五輪金メダリストの井上康生講師(体育学部=左)が副監督に就任。今大会でも共に指揮をとった。「世界最高峰の経験を伝授してほしい」と期待を寄せる