特集:キャンパス展望
2011年8月1日号
自由な時間の過ごし方
体育学部競技スポーツ学科 花岡美智子 講師

私が通った中学校の校訓は「自由と規律」でした。中学校の各教室には時計がなく、各自で時計を持って、時間を管理することを求められていました。また授業が選択制となる時期があり、自分で選ぶことができる代わりに、何を学んだか成果を発表する場が設けられていて、そこで評価を受けていました。今思えば、大学生と似た生活をそこで体験していました。

そこには、与えられた自由と、自らをコントロールするための規律の作成があり、実践を通して校訓を学んでいた感じがします。思い返せば、夏休みの宿題なんていうものは、自由にされた時間の中で自分をどう生かすかを試す(試される)絶好の機会だったように思います。

大学生活は中学生や高校生とは比べものにならないほど自由です。学生の皆さんは、その自由な時間をどのように過ごしているでしょうか? 昔、父から、大学とは「自由を得る時間である」と言われたことがあります。今後社会に出れば、これほどまでに自分で自由に時間を支配できることはない。だから自分が何をしたいのか、今何に時間をかけるべきなのかをしっかりと考えなさい、と。

私は教員であると同時にアスレティックトレーナーとして活動もしています。アスレティックトレーナーとはスポーツ選手のコンディショニング(けがの予防や、リハビリテーションなど)を担当する者のことです。また、将来アスレティックトレーナーを目指す学生の指導もしています。トレーナーという仕事は、その活動に多くの時間を費やします。練習前後、練習中、オフの間……選手のコンディショニングに終わりがないように、トレーナーの役割もまた、24時間体制でかかわる覚悟がなければ到底務まるものではありません。

そのため学生トレーナーは、朝早くから夜遅くまでさまざまな活動をしています。その様子を見て「忙しそう」「自分の時間がないね」と思われるかもしれません。しかし、その時間の使い方は自らが選んだものであり、忙しさとはまた異なる性質のものであると私は思っています。大学の4年間を自分がやりたいことのために、思いっきり費やしているその生活はとても充実しているのではないかと思っています。 たまたま、私の周りにはそのようなトレーナー活動をしている者、選手としてクラブ活動に励んでいる者が多くいます。何に熱中し、時間を使うかは、もちろん人によって違います。自分の価値観を人に押し付ける必要はありません。ただ、自由な時間は限られていることは肝に銘じて下さい。好きなことに好きなだけ没頭することができる。とても幸せなことです。

特に夏休みは、学生に与えられた特権です。社会人になれば夏休みはありません。どうか、時間を惜しんで自由な時間を謳歌して下さい。そしてその中で自分自身を律することができるようになれば、メリハリの利いた魅力的な大人に成長できるのではないかと思います。

 
(写真)ストレッチを施す花岡講師

はなおか・みちこ 1976年香川県生まれ。筑波大学体育専門学群卒業。筑波大学大学院体育研究科修了。体育学修士。専門はスポーツ医学。