News:ひと
2011年10月1日号
将来の夢は「女性を守る医師」
タイの医療施設で研修
齊藤裕子さん(医学部5年)

「病気を治すだけでなく予防することで、より多くの人を助けたい」そんな強い思いから、看護師と助産師の資格を得た後、医学部に学士編入学して医師の道を歩んでいる齊藤裕子さん。松前重義記念基金の2011年度「自己研鑚奨学金(前期)」の採択を受け、8月17日から25日まで、タイ王国の医療施設で研修した。実習内容の要望や受け入れ交渉などを一人でこなし、バンコク病院とHIV孤児が暮らす施設で医療ボランティアに携わった。

高度な医療を求めて世界中から患者が来るバンコク病院で見たのは、世界最先端の医療サービス。一方、HIV孤児院にいるのは、貧しさゆえに日本の医療なら防げる母子感染の子どもたち。「両方ともタイの医療の現実。医師を志す者として何ができるのか、あらためて考えた」と振り返る。

タイとの出会いは、学士編入学する前の大学で看護師を目指していたとき。ボランティア活動でアジア各地の施設を訪れ、タイのHIV孤児が置かれた現状に強い衝撃を受けた。編入学後も春や夏の休暇を利用してタイを訪れ、「より多くの学生に自分の経験を知ってもらい、海外の医療体制にも関心を持ってもらいたい」と思うようになった。

将来の夢は「女性の立場を守り、患者さんの気持ちを理解できる産婦人科医になること」。かつて指導を受けた恩師の言葉「義務として課せられていることをやるのは当たり前。それ以外に何ができるかが医療人としての資質を高める」が座右の銘だ。 (白)