News:研究
2012年1月1日号
工学部公開講座 震災と防災を考える
津波や放射能、建築技術など専門分野の研究を紹介

東日本大震災後の震災対策や防災について考える工学部主催の公開講座「震災・防災」が、昨年12月17日に湘南校舎で開催された。土木工学科の山本吉道教授と原子力工学科の大江俊昭教授による講演のほか、教員5人によるパネルディスカッションも実施。幅広い専門分野からの知見に、市民や教職員ら約80人が熱心に耳を傾けていた。

この催しは、昨年8月に刊行された「東海大学紀要 工学部 震災・防災特集号別冊に掲載された研究成果を紹介し、東日本大震災の教訓を生かして今後に役立ててもらおうと企画された。

開会にあたっては、平岡克己工学部長があいさつ。その後、山本教授と大江教授が講演した。山本教授は、津波のメカニズムや震災の被害についての最新情報を紹介した後、平塚市近辺で大地震が起きた場合の対処法を解説。「大地震が発生した際には、津波警報が発令される前でも高台に避難してほしい。高台がないときは、1981年の耐震基準以降に造られた鉄筋コンクリート造りの建物に上るのも有効です。避難時には、徒歩や自転車で移動してください」とアドバイスした。

続いて大江教授が、福島第一原子力発電所事故による湘南校舎への影響を解説。原子力工学科が行っている放射線量の測定データをもとに、昨年3月から12月の数値変化を紹介したほか、放射性物質による汚染のメカニズムなどを説明した。「震災直後は一時的に放射線量が上昇したものの現在は昨年並みになっており、健康などへの影響もないと思う。今後も正確な情報を活用してほしい」と語りかけた。

過去の事例を交えて、復興の道筋を議論
講演後のパネルディスカッションでは、両教授のほか、建築学科の杉本洋文教授と諸岡繁洋准教授、光・画像工学科の前田秀一教授が登壇。新潟県中越地震などの事例をえ、地域文化を生かした復興や専門家同士の連携の必要性について意見を交換した。

参加者からは「放射性物質の影響や復興のあり方について、テレビなどでは知ることのできない専門的な内容を学ぶことができました。防災対策の参考にもなった」などの感想が聞かれた。

 
(写真)メモを取りながら講演に聞き入る参加者の姿も見られた