特集:東海大生200人に聞きました
2010年12月1日号
環境に関するアンケート
興味はあるけれど難しい!?身近なことから知る努力を

「生物多様性」「エコポイント」など、環境に関する言葉を日常的に耳にしているものの、私たちは普段どれだけ環境について考え、行動しているだろうか。東海大生200人に環境問題への関心度をアンケートした。


「環境問題に関心がありますか?」の質問に、「強く関心がある」と答えた学生は26%。「関心がある」59%と合わせて、85%の学生が関心を寄せていることが判明。本紙では3年前の2007年10月号でも、環境問題についてのアンケートを実施している(学生100人対象)。調査対象人数が現在では2倍に増えているため、一概に比較することは難しい。それでも3年前の同様の質問と比較すると、関心度は5ポイントほど高まっているという結果になった。

一般的には景気が悪くなると環境問題への関心が低くなり、逆に景気が良いと環境問題への関心も高まる傾向がある。教養学部の藤田成吉教授は、「この3年間の景気の悪化状況を考えると、85%もの学生が環境問題に関心を持っていると答えたのは評価するべき」と話す。

学生たちの関心度の高さを喜びたいところだが、「あなたは環境保全のために何かやっていますか?」とその実態を聞いたところ、「やっている」と答えた学生は44%。それに対して「特にやっていない」40%、「やりたいが方法が分からない」16%と、やや消極的な意見が過半数を占めるという残念な結果に。ちなみに、「やっている」と答えた学生は3年前の76%に比べて44%と大幅に減少している。

関心度の高さを行動に結びつけよう

さらに今回のアンケートでは、新聞やテレビでもたびたび目にする3つの環境問題時事用語についても聞いてみた。このうち最も認知度が高かったのが、廃棄物対策のキーワードである「3R」。57%の学生が「よく知っている」と答えた。

逆に最も認知度が低かったのは、10月に名古屋で開催されたCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)。これは、193の国と地域の政府代表や市民団体、企業関係者約1万人が、生態系を保護するための国際的な目標の設定などを議論し合った国際会議。東海大学の教員や学生、付属校の生徒らも、さまざまな形で参加している。しかし、「よく知っている」と答えた学生はわずか13%。「聞いたことはあるがよく知らない」27%、「知らない」60%と、9割近くの学生がCOP10の存在をほとんど知らなかった。

アンケート結果を振り返ると、環境問題への関心度は比較的高いものの、具体的な行動や知識が伴わない――そんな学生像が浮かび上がる。「地球温暖化や森林破壊など、『結果』としての環境問題だけを見るのではなく、それがなぜ引き起こされたのか? これからの時代は、その要因を考えることが求められている」と藤田教授は話す。環境問題には、経済やエネルギー、食糧、気候など多くの要素が含まれている。自分が大学で学んでいる専門分野と結びつけることで、環境問題を「身近な問題」としてとらえ、その背景を考えることができるのかもしれない。(構成・編集部)


「持続可能な未来のために」
教養学部人間環境学科・藤田成吉教授

今回のアンケート「環境問題に関連する言葉であなたが知っているものは?」で最も多かった回答は「地球温暖化」でした。しかし、温暖化は先進国や新興国を中心とした68億人もの人類のさまざまな経済社会活動の結果として引き起こされているものです。次のステップとして、例えば下位に挙げられた「エネルギーの枯渇」や「人口問題」「食糧問題」「生物多様性」などに関連させながら、構造的にとらえてほしいですね。

「環境保全のために何が有効か」という問いでは環境教育と法的規制が同数でトップでしたが、国内的にも国際的にも規制がないと対策もなかなか進みません。しかし、規制の導入には何が問題か広く理解(環境教育)される必要もありますから、この二つはメダルの裏表の関係にあると言えるでしょう。

さて、環境問題はこのままでは10年後、20年後、30年後とますます深刻になっていきます。若い世代へのエールも込めて持続可能な未来のため、足元からグローバルな分野まで、自ら考え、対話し、共に取り組む力、いわば「地球市民基礎力」を培ってほしいと思います。


学生たちの声から
▼環境問題を自分自身で感じることが大切。自分の育った熊本の白川を大学で調査することによって、環境について考えるようになった。このような経験が、まず現状に気づかせるために必要(農学部4年・男子)
▼資源のあるうちに宇宙開発を進め、エネルギー、資源、生活空間を宇宙に求めるべき(開発工学部2年・男子)
▼リサイクルをあてにするのではなく、家庭にゴミを持ち込まないことから始め、リサイクルは最終手段として考えることが大切だと思う(教養学部2年・男子)
▼環境問題が起こる根本原因をよく考え、見つめることが大事(理学部2年・女子)