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付属諸学校

2012/06/01

学園オリンピック芸術【音楽】部門を開催

体全体で“音”を奏でる新企画
恒例のコンクールやセミナーも


東海大学学園オリンピックの第21回芸術【音楽】部門が、5月11日から13日まで湘南校舎で開催された。一次、二次審査を突破した学園の付属高校生17人と中等部生5人が参加。コンクールで演奏を披露したほか、セミナーでは今年初の試みとなる “クラッピングミュージック”にも挑戦した。

ピアノ、金管、木管、弦楽器、声楽……多種多様な音楽分野で活躍する生徒が一堂に会する学園オリンピック芸術【音楽】部門。全国の付属高校と中等部から選抜された22人は、初日のリハーサルと練習を経て2日目のコンクールに臨んだ。「緊張した」「音を外してしまった……」と話しながらも、保護者や湘南近隣の付属校生を前に、この日のために練習してきた楽曲を懸命に披露した出場者たち。

演奏後には金賞5人、銀賞5人、銅賞12人が発表された。その後は、東京交響楽団によるセミナーⅠ「ミニコンサート」や、大学の教員や楽団員によるセミナーⅡ「公開レッスン」も実施した。


20回の節目をこえ、新たな企画に挑戦
この数年、セミナーの一つでは、数人のグループに分かれて即興でアンサンブルを行ってきたが、「芸術【音楽】部門が昨年20回の節目をこえたこともあり、今年は手拍子や口笛など体全体で音を奏でる 〝クラッピングミュージック〞に挑戦してもらうことにしました」と実行委員の塚本伸一教諭(付属翔洋高校)。セミナーⅢの冒頭、参加者から不安の声が上がる中、学校も学年も楽器も違う4、5人のグループが発表され、楽譜が配られた。午後8時の発表会まで約3時間、各音楽レッスン室に分かれて練習に励むこととなった。

「専門の楽器を離れて基礎に戻る。あらためて意識すると、リズムをとることは難しいなと思った」と話すのは、同部門に3年連続で参加している萩原夏花さん(付属浦安高校2年)。出会って2日目とはいえ、メンバーはほぼ初対面。どのグループも最初は会話さえままならなかった。それでも、「どのパートをやりたい?」「口笛吹ける?」と徐々に声をかけ合っていく。「ここはこうしたほうが面白いよ」「最後の決めポーズはどうする?」。次第に笑い声も聞こえてきた各部屋をのぞきながら、塚本教諭は、「音楽で最重要なのが、すべてに共通するリズムです。仲間と協力し合って、音楽の楽しさ、原点を感じてほしかった」と語っていた。

充実の3日間を糧に今後の成長を誓う

夕食後も練習に励み、迎えた本番。楽譜は同じだが、指を鳴らす部分を声に変えたり、フォーメーションや動きをつけたりとグループごとに工夫を凝らした。盛大な拍手に包まれて、2日目の全日程を終了した。最終日の3日目は、教養学部の梶井龍太郎学部長によるセミナーⅣ「合唱」と、沖野成紀教授によるセミナーⅤ「ドレミを計算する」と題した講義が開かれた。その後に行われた閉会式で全員に修了証を手渡した実行委員長の梶井学部長は、「今は充実した気持ちで、これからもっと頑張るぞ!と思っている人も多いでしょう。その気持ちを大切に努力すれば、さらに成長できるはず」とエールを送った。

古山春希さん(付属望洋高校3年)は、「同じ楽器で1つ年下の子が金賞を取って、すごく悔しかった。でも公開セミナーのときに低音がきれいに出ていて、思いきって『どうやったらそんな音が出せるの?』と聞いたんです。いい勉強になったし、もっと頑張ろうと思った」と話す。参加者はお互いの成長を誓って湘南校舎を後にした。

【金賞受賞者】▽小石川英正(付属相模高校中等部3年・ピアノ)▽辰巳亜沙美(付属相模高校3年・テナーサクソフォン)▽岩下榛華(付属熊本星翔高校2年・フルート)▽山中美寿希(付属望洋高校3年・アルトサクソフォン)▽髙橋里香(山形高校3年・ホルン)※敬称略

 
(写真上から)
▽金賞を受賞したフルートの岩下榛華さん。「自分の演奏で、みんなが笑顔になってくれることが何よりうれしい。これからも相手の気持ちに届くような演奏をしていきたい」
▽大学の教員や楽団員による公開セミナー
▽参加者の多くは「初挑戦」というクラッピングミュージック。試行錯誤しながら練習に励む
▽発表会に臨む生徒たち
▽合唱のセミナーではスピッツの「空も飛べるはず」を歌った
Key Word 学園オリンピック
学校法人東海大学が一貫教育体制を生かし、付属中高生の才能を早期に発見することなどを目的に毎年実施している。1964年にスポーツ大会として始まった。芸術【音楽】部門に続き、夏季にはスポーツをはじめ、数学や英語など8部門の競技会やセミナーが行われる。

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