News:ひと
2012年7月1日号
日本設計工学会の論文賞を受賞
難問に挑み新発見 研究者を目指す
砂見雄太さん(大学院総合理工学研究科3年)

「修士1年から5年間、ずっと取り組んできた研究成果を評価してもらえたのがうれしい」昨年1月から12月までの間に、日本設計工学会の会誌『設計工学』に掲載された論文のうち、最も優秀なものに贈られる論文賞を受賞した砂見さん。同誌は毎月発行されており、国内外の研究者による論文が掲載される。大学院の博士課程である総合理工学研究科で学ぶ現役の学生が、この賞を取ることはまれだ。

受賞したのは、コンピューターで利用されているハードディスク(HDD)に関する論文。毎年約100万台が流通しているが、内部にある回転部分の加工にはきわめて高い精度が求められる。一方で、これまでは技術者のすり合わせによって調整しながら製造するのが一般的だった。砂見さんは、コンピューター・シミュレーションで回転部の半径や溝の深さなど8つの値を分析。その中から、加工の過程で多少の誤差があっても性能に大きな影響がない値があることを発見した。

「小さいころから機械に興味があり、家の時計などを解体しては組み直していた。難しいものに挑戦するのが好きなんです」と語る。シミュレーションには時間がかかるため、研究室に泊まり込むこともある。「もちろん家に帰ってもいいのですが……。実験の解が出る瞬間に立ち会いたい。そう思うと泊まることになる(笑)」 現在は企業の協力を得て、実機を用いた実証実験にも取り組んでいる。卒業後の目標は大学の研究者になること。「実力勝負の厳しい世界ですが、そこが魅力。後身の教育にも力を入れたい」


 
(写真)「研究に没頭する毎日は、とても充実しています」と語る