Column:Interview
2012年8月1日号
ガールズケイリン初代女王
起きている時間すべてが自転車! 
小林莉子さん(菅生高校2010年度卒)

7月3日の平塚競輪場。ガールズケイリン初代優勝者となった菅生高校卒業生の小林莉子選手。「ソフトボールで五輪に」が念願だったが、同種目が五輪から外れ、将来の目標がかすんでしまったときに出合ったのが自転車だ。「高3の夏、祖父から参加してみないかと言われたのが日本競輪学校のガールズサマーキャンプ。自転車なんかって、イヤイヤ参加したんです(笑)。でもそこで魅せられました」

本格的な自転車は初めてなのに1000メートル独走タイムが1分25秒(平均時速42キロ!)。自転車選手の素質は十分にあった。当然、競輪学校関係者も注目、「競輪で五輪を」と勧められ決断した。秋からは競輪選手になるための練習を開始。指導してくれるのは元競輪選手の富山健一さんで、こんなやりとりがあったそうだ。「お前の目標はなんだ」「日本一の選手になること、そして五輪に出場することです」「わかった。条件は一つ。絶対ツラいと言うな、言ったら即刻縁を切る」。1冊の大学ノートを渡された。小林選手は目標を書き込まされ、師匠は目標タイムを記した。以来ノートへの書き込みは欠かさず貴重な練習日誌となっている。

昨年5月、ガールズケイリン第1期生(36人)として日本競輪学校(静岡・修善寺)に入学、10カ月を過ごす。「自転車の経験が浅いし、強い人との差を痛感していたので、皆と同じに過ごしていてはダメだと起床時間の2時間前には起きて練習しました。休日もずっと練習。10カ月間、一度も外出しませんでした」在校成績6位、卒業記念レースでは3位も、「悔しくて表彰台に上がる気がしなかった」。負けん気の強さは人一倍だ。

早朝、奥多摩の山道を60〜70キロ走ったあと、立川競輪場で夕方まで練習という毎日。練習以外の時間は、「男子競輪のレースビデオを見ます。先行選手の動きは参考になります」。早ければ16年リオデジャネイロ五輪で日の丸のジャージを着た小林選手が見られる。

※ガールズケイリン 
1948年から64年まで開催されていた女子競輪を復活させたもの。日本の女子自転車競技界の底上げを目標に今年7月からスタート。一開催は3日制(2日間の予選を経て3日目に決勝)。女子ケイリンはロンドン五輪から正式種目。

 

(写真)富山さんのバイクを追走する小林選手。
8月の出走予定は4〜6日・京王閣、29〜31日・平塚


こばやし・りこ 1993年3月26日生まれ。高校在学中はソフトボール部のキャッチャーとして活躍。好物は焼き肉とプリン