特集:キャンパス展望
2012年8月1日号
湘南と代々木で2度卒業する!?
観光学部観光学科 服部 泰 講師

2010年度に開設された観光学部は、今年度から代々木校舎の利用を開始しました。すっかり湘南校舎に慣れ親しんでいた学生たちは、キャンパスの移行に伴って小さな期待と大きな不安を抱いていたようです。しかし、代々木の利用開始から4カ月が過ぎようとしている今、不安がうそであったかのように代々木での学生生活を謳歌しています。

観光学部では低学年のうちは湘南で多様かつ総合的な学びによって基礎を身につけます。代々木に移動してからは、都心へのアクセスの利便性を生かし、実践的な学びによって応用を身につけます。今夏、学部の特長の一つでもある独自のインターンシップには50余名の学生が参加し、実践的な学びの場に飛び出します。しかし、こうした2キャンパス利用によるメリットを生かす背景には、少なからず不安がありました。湘南開講の科目と代々木開講の科目とは授業時間帯が重複することは避けられず、なおかつ両キャンパス間の交通移動が容易でないことから、湘南での学習をしっかり修めないと(単位をしっかり修得しないと)、代々木へとスムーズに移行することができません。

学生たちはガイダンスのたびに松本亮三学部長から、「観光学部には2度の卒業がある」と言われています。「1度目」は湘南での学習を修めるという意味での卒業であり、「2度目」は学部の学習を修めるという意味での卒業です。したがって、1期生が無事に「1度目」の卒業を迎えることは観光学部教職員の、とりわけ私を含めた教務を担当する教員の当面の悲願でした。関係各所に協力をいただきながらその目標は達成され、1期生すべての学生が代々木に通っています。こうした安堵とともに、一つの驚きもありました。

代々木での学習の合間を縫って、湘南に通学しさまざまな科目を履修している学生が少なくないことです。代々木では立地上、どうしても全学向けに開講されている副専攻科目や外国語などの選択科目を十分に開くことができないため、主専攻科目のみの履修が想定されていました。しかし、学生たちの学習意欲、とりわけ外国語科目への高い学習意欲は、キャンパス間の移動という困難をやすやすと乗り越えていきました。午前中に代々木で授業を受けていた学生が、午後には湘南で英語科目に精を出している姿を見るたび、我々教員にはこうした学ぶ意欲に応える責務があることを実感します。

かくして、1期生たちは無事に「1度目」の卒業を迎えたわけですが、早くも今秋学期には、2期生が代々木へとやってきます。3期生も迎え、代々木が多くの学生でにぎわうようになると、いよいよ1期生が「2度目」の卒業を迎えることとなります。研究室で学生と話をしていると、最近では、自然と進路や就職活動が話題にのぼります。「2度目」の卒業に向けて、学生の意識も高まってきていることを実感します。やがては毎年当たり前のようにやってくる「2度目」の卒業を目標に、観光学部は今、活気づいています。

 

はっとり・とおる 1974年デンマーク生まれ、神奈川県育ち。中央大学文学部卒業。東海大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。専門は心理学、文明学など。