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付属諸学校

2012/09/01

学園オリンピック夏季セミナー

嬬恋と湘南で多彩なプログラム
仲間と共に学び、成長する夏

学校法人東海大学が学園の付属中高生を対象に毎年実施している学園オリンピックの夏季セミナーが、7月31日から8月5日まで群馬県の東海大学嬬恋高原研修センターで開催された。7部門で実施されたセミナーには、1次審査を経て選抜された158人が参加。8月6日から8日には湘南校舎で学園オリンピックスポーツ大会や、東海大学高等学校生徒会会長会議なども行われた。

7部門で行われた夏季セミナーでは、学園の各教育機関の教員が練り上げたプログラムが実施された。「どのプログラムも学校の授業ではやらないことばかり。専門の先生方にも話を聞けて勉強になりました。もっと早くから参加しておけばよかった」と初参加の三枝裕美さん(理科部門/付属熊本星翔高校3年)。英語部門では、衣装や小道具、演出まで生徒たちがこだわり抜いた英語ドラマ「THE  PRINCESS BRIDE」を演じ、知的財産部門では知的財産権利保護を啓蒙するための缶バッジを制作。国語部門では嬬恋吟行や連句の会にも挑戦した。
 
参加者を3、4人のグループに分け、「日本は死刑制度を廃止すべきである。是か非か」について、肯定側と否定側とで議論を交わしたのはディベート部門。5年連続で参加した大家(だいけ)剛さん(付属仰星高校3年)は、「仰星高にはディベート部がないので、自分にとっては学オリが唯一の〝大会〞。初心者も多いですが、経験者が引っ張ってチーム一体となって戦うところが面白い」と語る。「全国に友達ができて、毎年ここで再会できるのも楽しみの一つ。後輩たちにもぜひ参加してほしいですね」

(写真=数学部門では、「1辺が1の正20面体の体積を求めよ」という課題が与えられ、ブロックを組み合わせながら正解を探した)

【造形】考えの連鎖で生まれる目で、耳で楽しむアート

研修センター周辺の階段や森に縦横無尽に張り巡らされたスズランテープが、風に揺れて音を奏で、太陽の光を浴びて影をつくる。芸術【造形】部門では、生徒同士が協力し合い、アイデアを発展させて巨大アートを作る造形表現課題「SpiderWeb~クモの巣からの発見~」に挑戦した。

5、6人一グループで思い思いに2色のテープを使う。〝クモの巣〞のイメージであること、テープを切らないこと以外は自由で、「最初はどうなることかと思った」と生徒たちは口々に言う。小山拓哉さん(付属高輪台高校3年)は、「出会ってまだ3日目で、最初はちょっと気まずさもあった(笑)」と振り返る。しかし、「育った環境が違うと、考え方も全く違う。テープをつないで小さなクモの巣を作った子がいて、それを見てクモを模したかたまりを作る子がいる。考えが連鎖して広がっていくのが面白かった」

紫と緑のテープを使ったチームが、「中央の大きな木を中心に、だんだんと汚染されていくイメージにしました」と言えば、別のチームは「ピンクと黄色で色はきれいだけど、中に入ると複雑になっていてなかなか出られない。〝美女鬼グモ〞がテーマです」と、それぞれに違った作品を作り上げた。高校3年間、同部門に参加した小阪晶さん(付属浦安高校3年)は、「高校の夏休みイコール学オリです! 多くの人と出会い、嬬恋の自然の中でたくさんの刺激をもらいました」と話していた。

(写真=研修センター前の階段も見事なアート作品に)

【理科】距離と高さを計算する八ッ場ダム予定地で実習

気温30度をこえる猛暑の中、理科部門の生徒たちが向かったのは群馬県・吾妻川流域の八ッ場ダム建設予定地。1947年の大型台風による利根川流域大洪水をきっかけに計画が始まり、たび重なる中止を経て2011年に工事再開が表明された場所だ。今回のプログラムは、自然現象の中に問題を発見し、それを解決する能力を養うことや、理科を学ぶだけでなく倫理観や社会観などを身につけてもらおうと実施された。生徒たちは住宅の高台移転に伴い発見された縄文時代の遺跡発掘現場などを見学した後、ダムの上に架かる不動大橋へ。前日に制作した望遠鏡と分度器を使って、橋の先に見える丸岩までの測量に取り組んだ。
 
浅野菜摘さん(付属相模高校中等部1年)は、「最初は分度器をどう使うかもわからなかったけれど、先輩に教えてもらってなんとかできました」と笑顔を見せる。その後、建設中の湖面1号橋の橋脚の下に移動して高さも測った=写真。しかし研修センターに戻って実際に計算してみると、「先生から丸岩までは3㌔ぐらいと言われたけれど、計算だと1・52㌔しかない」「こっちは40㌔……」と悪戦苦闘。平下泰志さん(付属望洋高校2年)は、「測量は初めてやりましたが、高さも距離もうまく出せず難しかった。今回の実験を自分でも継続してやってみたい」と語った。
 
実習ポイントまでの移動中も、生徒たちは全身で自然を楽しんだ。「生物が大好き」という増田雄太さん(菅生高校1年)は虫捕り網を持参し、「低地と山地だと虫の種類も全く違う。捕った虫は持ち帰って標本にします」と目を輝かせた。浅野優太さん(付属相模高校1年)は、「自然が豊かで、生物も多い。水没してしまうのは残念です。自分の目で見た経験を伝えていきたい」と話した。

【スポーツ】高校生アスリートが熱戦! 男子菅生、女子相模が総合V

学園オリンピック第47回スポーツ大会が、8月6日から8日まで湘南校舎で開催された。男子9種目、女子7種目が行われ、付属高校生が熱戦を繰り広げた。男子は、バレーボール=写真=と卓球を制した菅生高校が3年ぶり6度目の総合優勝。

付属浦安高校が2位、付属高輪台高校が3位に。一方の女子は、付属相模高校がソフトテニスとバスケットボール=写真=を制して、2年ぶり14度目の栄冠に輝き、菅生高が2位、付属熊本星翔高校が3位となった。

Key Word 学園オリンピック
学校法人東海大学が学園の付属の中高生を対象に、才能の早期発見と成長支援などを目的に実施している。1964年にスポーツ大会として始まった。夏季セミナーは国語、理科、数学、英語、芸術【造形】、知的財産、ディベートの7部門(芸術【音楽】部門は5月に実施)。

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