News:教育
2012年10月1日号
古民家を使って町を元気に
学生が小田原で再生プランを発表

小田原市内の古民家・内野家を活用して地域の活性化につなげよう―。建築を学ぶ大学院生が、今年5月からプロジェクトに取り組んだ。9月9日には市内の量覚寺で開催された成果発表会(主催=神奈川まちづかい塾)に出席。蔵を使ったホールやカフェ、庭を利用した足湯施設などを提案した。

このプロジェクトは、古民家を生かした地域活性化を目指して活動している「神奈川まちづかい塾」の協力依頼を受けて始めたもの。大学院工学研究科建築学専攻が開講する「建築計画特論」と「建築設計スタジオ1/3」の合同授業として学生約20人が参加した。内野家は明治時代に醤油店を創業。70年代まで営業しており、明治から昭和にかけて建築された蔵と工場、住居が残っている。住居部分は現在も住宅として利用されているものの、老朽化が進んでいることなどから取り壊しを含めた検討がされている。

日ごろから建築を学んでいる学生たちだが、すでにある家屋敷をどう活用するかを考えるのは全員が初体験。山内昇さん(1年)は、「発想の転換を迫られることばかりだった」と振り返る。建物のどこを生かせばいいのか。地域とのつながりや家の持つ魅力をどう表現するか。実測調査や住民への聞き取りを行い、議論を重ねたという。

9日の発表会には、小田原市の加藤憲一市長や市民約50人が出席。地域住民の文化交流や観光客を呼び込む多彩なアイデアをもとに、市民と学生が活発に意見を交換。加藤市長からは「皆さんの意見を参考に、今後のプランを考えていきたい」との感想が寄せられた。曽根田恵さん(2年)は「個々の家も地域の町並みや雰囲気とかかわりながら存在しているなど、多くのことを学んだ。この発表会をスタート地点として、さらなる活動につなげていきたい」と話していた。
 

(写真)学生が手作りした模型を前に、防音効果が高い蔵を活用したホールなど、家屋敷の特徴を生かした11のプラン発表が行われた