News:教育
2012年10月1日号
初の「日中学生交流フォーラム」
両国の将来を4大学の学生が討論

日本から東海大学と学習院大学、中国から北京大学と清華大学の学生が参加した「日中国交回復40周年記念学生交流フォーラム2012」が、8月28日から9月1日まで日本で初開催された。各大学からは国際問題に関心の高い15人ずつ計60人が参加し、学生の視点で率直な意見を交換した。

今回のフォーラムは、東海大学と交流協定を結んでいる石川県能登町で昨年開催された、「第3回北東アジア学生フォーラム」がきっかけで実現したもの。日本と中国の学生が膝を突き合わせ、両国の将来のあり方を討論しようと企画された。
 
29日は第1部として学習院大学(豊島区)で開会式を実施し、基調講演などを聴講。その後、中国大使館(港区)で程永華駐日大使と約1時間懇談した。30日に東海大学湘南校舎で行われた第2部では、教養学部の旦祐介教授が「一人ひとりが両国の懸け橋になってほしい」とあいさつ。工学部の内田裕久教授は「3・11後の日本のエネルギー政策と新エネルギーへの取り組み」をテーマに基調講演を行った。

期間中は各大学の学生が混合で「経営」「理工学」「教育・公衆衛生・環境」の3つの分科会を結成。2日間にわたり意見を交換し、最終日に英語で発表することを目標と定めた。分科会ごとに「21世紀のアジア人」「日中共通の市場」など独自テーマを設定。英語・日本語・中国語を交えて議論を発展させ、報告会で発表した。「資源や市場で争うのではなく、強みを生かして協力することが双方の利益になる」「教科書の歴史記述の違いが歴史認識の隔たりをつくっている。報道に頼らず、互いを知ることで認識を新たにしよう」と訴えた。
 
参加した教養学部の小森和真さん(4年)は、「中国のトップレベルの学生と未来を語りたいと参加した。英語力の高さや主張の強さに圧倒されたが、通じ合うことも多かった。彼らともっと議論を深めたい」と語った。

参加者の声
自分の五感で相手を感じよう
中国出身の留学生
温君寧(オンクンネイ)さん(工学部4年)

「大学時代は自分の価値観を育成する時期。留学を通して世界を感じよう。きっと物事の見方が変わるよ」。日本留学の直前、先輩から励まされました。フォーラムには東海大学の留学生として日本側から参加。感じたのは意見交換の重要性と自分の使命です。今年は国交回復40年。しかし、多くの課題やすれ違いがあります。正直、参加する前は大丈夫かと不安でしたが、学生同士すぐに打ち解けました。他人の言葉や報道を一方的に信じるのではなく、自分の目、耳、口で確かめるほうがずっと信頼できると感じました。

かつて激しく戦ったフランスとドイツは、今ではEUで共存共栄の関係です。一方、中国と日本は、どこに向かうのでしょうか? 漢字や思想など多くの共通点を持ち、地球温暖化など共通の問題にも直面する両国。手をつなぐか離すかで、すべてが変わります。中国で19年間、日本で5年間、両国のよさを感じてきました。若い世代として懸け橋になれるように頑張りたい、と心から思っています。
 

(写真上)2050年に人類が使えるエネルギーの可能性を論じる学生たち。両国の強みを出しながら協調の道を探る
(写真下)じっくり話を聞き、調整役を務める温さん