Column:Interview
2013年1月1日号
チーム一丸でつかんだ日本一
男子バスケットボール部 陸川 章 監督

昨年11月の全日本大学選手権大会(インカレ)で6年ぶりに王座を奪還した男子バスケットボール部。2005、06年の連覇以来遠ざかっていた栄冠に、陸川章監督(体育学部教授)は、「これまでのすべてがつながっている。全員の力を結集してつかんだ日本一」と語る。3度目の王座に導いた陸川監督に聞いた。

2005年に初の大学日本一に輝き、竹内譲次選手( 06年度卒・日立サンロッカーズ)や石崎巧選手(同・ドイツ2部リーグBV Chemnitz)ら主力が残ったまま迎えた06年のインカレは、「負けられない、勝たなければいけなかった」と陸川監督は振り返る。一方で今年度は、インカレ2連覇中の青山学院大学が「高さも経験値も上」(陸川監督)。まさにチャレンジャーとしての戦いだった。

昨年度のスタメンから3人が抜け、残ったのは主将の狩野祐介選手(体育学部4年)と田中大貴選手(同3年)の2人だけ。「周囲から、“今年の東海大はダメなんじゃないの?”と言われましたよ。でも私はそうは思わなかった。可能性のあるチームだし、伸びてくればきっと面白くなる」。今季初戦となる5月の関東大学選手権大会は決勝で青学大に敗れ準優勝。しかし6月の関東大学新人戦では見事優勝を飾った。失敗や経験を経て、重ねてきた努力は間違っていなかったと選手たちに自信が生まれた。

10月末に閉幕した関東大学リーグ戦は14勝4敗で準優勝と、またも青学大に王座を譲ったが、「必要な4敗だった」と陸川監督は言う。「リーグ戦を終え、休みを挟んだ後の1週間は鬼のような練習をした。ディフェンス強化、体力強化。ボロボロになるまで追い込んだ。“弱くはないけれど、2位”。そんな状況を打破したかった」。

原動力は主将とエース 裏方のサポートも
インカレでは徹底的なディフェンスで相手を70点以内に抑え込み、2年連続となる青学大との決勝戦でも何度もリードを奪った。「3年前の準決勝で、優勝した日本大学に20点差をひっくり返された場面が頭をよぎった。だからこそ、焦るなと声をかけ続けた」。06年に連覇してからは、4位、16強、4位、5位とあと一歩勝ちきれなかったが、「昨年度の4年生が5年ぶりに決勝へ連れて行ってくれたから、選手たちは今年こそという思いあった。すべてがつながっていた」。

71―57で試合終了を迎え、歓喜の輪の横で泣き崩れた狩野選手を陸川監督は笑顔で抱き上げた。「狩野は皆の力だと言うだろうけれど、彼が周りを鼓舞して、原動力になった。皆の尊敬に値するキャプテンです。田中も今夏に日本代表チームでもまれて、試合の中でのリーダーになった。2人でよく引っ張ってくれた」とたたえた。「学生コーチは寝る間も惜しんで相手チームの分析をし、トレーナーが体のケアを、マネジャーはバスの手配など私が気づかないところまでフォローしてくれた。一人ですべてを見られるわけじゃないからこそ、安心して任せられる彼らの存在は大きかった。父兄やOBも含め、皆で勝ち取った日本一だと思います」

 
りくかわ・あきら 日本体育大学卒業後、日本鋼管(NKK)で37歳まで現役。大学3年時から日本代表に名を連ね、主将も務めた。カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校に留学したのち2001年度から東海大を率いる。