News:研究
2011年1月1日号
国際感染症シンポジウム
抗菌薬の適正使用がテーマ

医学部が「抗菌薬の適正使用」をテーマにした国際感染症シンポジウムを、昨年12月4日に東海大学校友会館で開催した。文部科学省の今年度「医師不足解消のための大学病院を活用した専門医療人材養成」事業によるもの。

シンポジウムは、近年、薬剤耐性菌などによる感染症が国内外で大きな問題となっていることなどを背景に実施されたもの。特に重篤な患者が多い第3次医療施設での「抗菌薬の適正使用」について、具体策などが議論された。

まず、医学部基礎医学系の藤本修平教授と手稲渓仁会病院の本田仁医長が基調講演し、議論の前提となる情報や課題を整理。藤本教授は「日和見感染症の基礎と院内感染対策の問題点」をテーマに講演し、感染症の特徴や増加原因などを説明。科学的データに基づいて感染症対策を高精度化する必要があると指摘した。本田医長は「黄色ブドウ球菌菌血症診療における感染症コンサルタントの役割」と題して講演。米国の臨床データや治療戦略を紹介し、感染症コンサルタントの有益性やチーム医療の重要性について述べた。

これらを受けて米国ウェイクフォレスト大学医学部のクリストファー・A・オール准教授が「耐性菌のコントロール 抗菌薬の適正使用について」をテーマに特別講演。抗菌薬の適正使用を普及させるには、専門医や看護師、臨床薬剤師など多職種によるチームづくりが重要だと述べた。

この指摘はその後のシンポジウム「3次医療施設における抗菌薬適正使用と院内感染対策」でも話題に。会場に集まった各地の医療施設の医師らとも意見を交換し、チームづくりや運営の方策、組織の枠組みなども議論された。50人を超える参加者の中には多くの研修医の姿も。今井裕学部長は、「教育上も重要な課題。今後の診療にも役立てたい」と語った。

 
(写真)院内感染対策でも意見を交換した