News:研究
2013年5月1日号
飛べ! ソーラー無人飛行機
6月上旬の試験飛行を目指し サウジの学生と共同製作中

工学部の有志学生による「ソーラー無人飛行機プロジェクト」のメンバー4人が、3月12日から23日までサウジアラビアのキング・アブドゥルアジーズ大学(KAU)を訪問。現地の学生と力を合わせ、ソーラー無人飛行機「サンファルコン1」の製作に取り組んだ。同プロジェクトでは、5月下旬に現地を再訪して試験飛行を実施する計画。

サウジアラビアの学生とともにソーラー無人飛行機の“5日間昼夜連続飛行”を成功させることを最終目標として、昨年4月から活動を開始した「ソーラー無人飛行機プロジェクト」。世界各国で多種多様な無人飛行機が開発されている中、ソーラーエネルギーを活用し、長時間飛行を実現させるという高い目標を設定している。これは、2011年にKAUと東海大学が締結した「太陽光無人飛行体(ソーラー無人飛行機)の共同研究」に関する業務契約=キーワード参照=に基づいたもの。工学部による3年間の期間限定プロジェクトだ。

「両国の学生と教員が“ものつくり”という共通の目標を持って交流し、スキルアップすることを目指しています」と、平岡克己学部長は語る。活動には、工学部の各学科から集まった3、4年生と大学院工学研究科の大学院生、合わせて約20人が参加。定期的にミーティングを重ねつつ、設計図の製作や小型模型を使った風洞実験、実物大の試作機製作などを行い、サウジアラビアでの実機製作に向けた準備を進めてきた。

約7日間をかけて機体の大枠を完成

今回、現地での作業に携わったのは、日本人学生2人と韓国、サウジアラビアの留学生各1人の計4人。学生たちは、同プロジェクトを指導する福田紘大講師(航空宇宙学科)、新井啓之講師(情報教育センター)とともにKAUを訪問。現地での作業時間が約7日間と短かかったため完成には至らなかったが、機体の大枠を作り上げた。学生たちが製作したソーラー無人飛行機「サンファルコン1」は、翼幅3・7メートルで、主な材料は軽くて軟らかいバルサ材。翼の上部にソーラーパネルを搭載し、無線で遠隔操縦する。メンバーらは、5月下旬から6月上旬にかけて再びサウジアラビアに渡航。「サンファルコン1」を完成させ、現地で試験飛行を実施する予定だ。

「ものつくりのノウハウをより的確に伝えるために、KAUの学生向けのマニュアルも制作中です」とチェ・ウォンソクさん(航空宇宙学科4年)。大浦晋さん(同)も、「大型の機体を作る必要があるため、最初は少し戸惑いましたが、よりいい飛行機が作れるように今後も努力していきたい」と意気込みを語っている。なお同プロジェクトでは、14年度には翼幅約6・5メートル、センサーとGPS制御を使って完全無人化した「サンファルコン2」を設計・製作し、その試験飛行にまでこぎつけたいと考えている。

 
(写真上)現地では早朝から深夜まで製作に励んだ
(写真下)完成まであと一歩の「サンファルコン1」
Key Word 共同研究に関する業務契約
工学分野で業務協力し、ソーラー無人飛行機のデザイン・製作・試験飛行、開発に必要なインフラ整備にかかわる応用研究を進めるとともに、教員や学生の交流・受け入れを展開することを目的としている。2010年にKAUと東海大学の間で調印された、教育研究交流に関する大学間協定の一環で締結された。