News:学生
2013年5月1日号
“山みこし”に学生が挑戦
若い力を振り絞り、地元の伝統行事で大活躍

学生の力で伝統行事を盛り上げたい―。東海大学の学生有志38人が、4月19日に神奈川県大磯町で行われた高来(たかく)神社の春季例祭「高麗(こま)の山神輿(みこし)」に参加した。この行事は、同町高麗山のふもとにある高来神社から標高約160メートルの山頂まで250キロあるみこしを担ぎ上げる。最大傾斜が45度をこえる坂を登ることから「みこしのロッククライミング」とも呼ばれる。約400年の歴史を誇るが、近年は参加者の高齢化などにより担ぎ手が減っていた。

大磯町から依頼を受けた東海大が、体育学部やチャレンジセンターの学生に参加者を募った。学生は、地元住民ら約100人とともに、午後6時ごろ高来神社を出発。みこしに結んだ長さ150メートルの親綱1本とバランスをとる30メートルの横綱2本を、「ヨイトーサッセイ」というかけ声に合わせて引っ張った。

大きな達成感と祭りの魅力を実感
最初こそ順調に山を登っていたが、岩肌が露出した急坂に差しかかると大きくペースを落とした。細く滑る道に阻まれ、みこしは何度も転倒した。駒杵嵩大さん(体育学部4年)は、「綱を引くタイミングが難しく、最初はすぐバランスを崩しました。しかし次第にリズムをつかみ、最後には全員の息が一つにまとまり、みこしを引き上げられるようになっていきました」と話した。
 
難所を乗り越え、ほどなくして休憩地点に到着。自治会が用意したおにぎりやお茶などを参加者全員で食べた。「100食をこえる食事を用意するのは大変なこと。多くの方の支えで行事が成り立っていることを実感しました」と、戸嶋優希さん(工学部3年)。午後9時半、みこしは3時間半をかけて山頂に到着。参加者は喜びを分かち合い、交代でみこしを担いで山頂の広場を練り歩いた。小岩貴也さん(工学部2年)は、「握力がなくなるほど疲れましたが、大きな達成感を味わえた。来年も参加したい」と話す。中心となって祭りを運営する高麗区自治会の曽根田純一郎会長は、「伝統行事の継承には、若い力が必要。これを機に興味を持ってもらえるとうれしい」と語った。

 
(写真)足元がかろうじて見えるほどの暗闇。地元住民たちと声をかけ合って力の限り3本の綱を引いた