News:ひと
2011年1月1日号
16カ月間の南極観測に挑む
町屋広和 さん(大学院工学研究科1993年修了)

「南極大陸でオーロラを見たい」という大学時代からの夢を追いかけ、2012年春まで16カ月間にわたる南極観測に挑む町屋広和さん。第52次日本南極地域観測隊の越冬隊員として、昨年11月24日に日本を出発した。

町屋さんとオーロラの出会いは、工学部航空宇宙学科の授業で利根川豊教授に見せてもらった1枚の写真。幻想的な美しさに圧倒された。観測隊への参加経験を持つ利根川教授から南極やオーロラについて学ぶうちに、関心を高めていった。

卒論ではオーロラ理論の文献調査に取り組み、大学院では電磁気学を専攻。大学院修了後は、医療機器のサービスエンジニアとして活躍した。その経験を海外で生かしたいと、海外青年協力隊として中米のグアテマラ共和国に赴任するなど、好奇心旺盛に世界を駆け巡った。「日本を見て世界を見て、次は南極と思いは募りつつ、観測隊への参加は無理だと思い込んでいた」と振り返る。

夢が実現に向かったのは、2009年秋に友人から観測隊員公募を知らされてから。久しぶりに利根川教授を訪ねて推薦文を書いてもらい、応募。数カ月に及ぶ厳しい選考をくぐり抜け、国立極地研究所の期限付き職員に選抜され、観測隊員となった。「チャンスはどこにでも転がっているけれど、タイミングと周囲の人の力添えがなければつかめない」

南極での任務は、オーロラなどの宙空圏現象の観測。機器のメンテナンスやトラブル対応など、緊張する作業が続く。食卓を彩る新鮮な野菜の栽培など、生活面からも隊員を支える。「いろいろな種類のオーロラを写真に撮って、子どもたちに見せたい。帰国したら、宇宙にかかわる仕事で多くの人に夢を与えたい」

 
(写真下)海外青年協力隊赴任先のグアテマラで(後列中央が町屋さん)