News:付属諸学校
2013年5月1日号
部活動のノウハウを地域に生かす
付属各校で講習会を開催

各付属高校で部活動の知識や技術を生かし、地域に根ざした活動が展開されている。付属翔洋高校(静岡市)では昨年度、小学生のサッカー教室「テクニカル・スポーツ・クラブ(T・S・C)」を開講。練習前には学習時間を設けており、地域住民からも好評を得ている。今年度は柔道やチアリーディングの教室も始まった。各校の取り組みを紹介する。

【翔洋高】プログラム充実! 2年目を迎えたT・S・C

翔洋高では昨年度から教員の有志が中心となって、近隣の小学生を対象としたT・S・Cを開講している。昨年度はサッカー教室を週3回実施。受講者からの要望などを受けて、今年度はさらにプログラムを充実させ、新たに柔道とチアリーディング教室がスタートした。火曜と金曜、土曜にサッカー、金曜に柔道とチアというスケジュールで、1年生から6年生まで延べ60人が、希望する教室に参加している。代表を務める小曽根龍介教諭は、「子どもたちが気軽にスポーツに親しめる場をつくりたかった」と話す。指導はそれぞれ運動部の顧問が担当する。「専門の指導者のもと、スポーツの魅力を体感できる」プログラムを目指し、学年や競技レベルに合わせた練習を行っている。
 
サッカー教室では同校サッカー部の部員もパス練習などを補助する。石原大将主将(3年)は、「上手にプレーできた時、にっこり笑う子どもたちを見るとスポーツの楽しさを再確認できる。部員にとってもよい効果が得られています」と話す。

自学自習を習慣づける学習の時間も用意

また、自主的に学ぶ習慣を身につけてもらうことを目的に、火曜と金曜の各種目の教室前には学習の時間も設けている。児童たちは毎回、翔洋高の教員が用意した算数や国語のプリント、学校の宿題など、それぞれが選んだ課題に取り組む。川嶋隆之介さん(6年)は、「参加するようになって、前よりも勉強が好きになった」と笑う。小曽根教諭は「今後は競技を増やすことも検討しています。活動の輪を広げ、翔洋高が地域のコミュニティーの一つになれれば」と語っている。

4月17日に行われたサッカー教室のドリブル練習。保護者からは、「スポーツと勉強の両方を大切にしてくれるので、子どもを安心して預けられる。将来の可能性も広がると期待している」との声が聞かれた

(写真上)4月17日に行われたサッカー教室のドリブル練習。保護者からは、「スポーツと勉強の両方を大切にしてくれるので、子どもを安心して預けられる。将来の可能性も広がると期待している」との声が聞かれた
(写真下)ヒントを出し合いながら、課題に取り組む

 
【第四高】基礎練習が生み出す美しいハーモニー 

金管楽器、木管楽器、弦楽器、打楽器……いくつもの音を重ね、みるみるうちに体育館が美しい音色に包まれる。集まった中学生たちは、「迫力が違う」「かっこいい!」と目を輝かせた――。4月21日、付属第四高校(札幌市)の吹奏楽部が、同校で中学2、3年生対象の「吹奏楽講習会」を開催した。近隣の中学校から依頼を受けて、20年ほど前から開いている催し。今回は札幌市内の15校から約400人の生徒が参加した。
 
午前中は楽器ごとに分かれ、楽器の組み立て方やメンテナンス、練習方法などを第四高生が細かく指導した。自身も中学2、3年生のときにこの講習会に参加したという佐藤聖乃さん(3年)は、「高校生はとても大人に見えてすごく緊張して、聞きたいことを聞けなかった覚えがあります。なので、こちらからこまめに声をかけたり、音を聞いて気づいたことをアドバイスしたりするようにしました」と話す。

午後は体育館に会場を移して、顧問の井田重芳教諭の指導のもと、参加者全員で基礎練習に取り組んだ。チューニングや音程のそろえ方といった楽器を使った練習だけでなく、自分の吹く音を声に出して全員で歌う場面も。最後は、第四高吹奏楽部が迫力満点の演奏を披露し、会場は大きな拍手に包まれた。
 
参加した中学生は、「基礎の大切さをあらためて感じた」「普段やったことのない練習もあって勉強になった」と口々に話す。一方で部長の大頭(おおがしら)巧さん(3年)は、「中学生と一緒に練習することは、僕たちも刺激になりますし、自分の欠点を見直す時間にもなる」と充実の表情を見せていた。

(写真)キーボードの音に合わせてチューニングをする第四高の吹奏楽部。中学生たちは一つでも多く学ぼうと、熱心にメモをとっていた 

 
【第三高&菅生高】
“教えることは学ぶこと”バスケットボールで中学生と交流

付属第三高校(茅野市)では、男子バスケットボール部が毎週水曜日の部活動終了後、近隣の中学生を対象にバスケットボール教室を開いている。全国大会常連の強豪とあって、長野県下のバスケ少年には憧れのチーム。茅野市以外から参加する中学生もいる。
 
指導は入野貴幸監督(第三高教諭)が中心だが、選手たちもシュートやディフェンスなどの動きで手本を見せる。井上諒汰主将(3年)は、「その練習が試合のどのような場面を想定したものなのか、意図を必ず説明するよう心がけている」という。どう動いたらよいか、中学生自らに考えてもらうためだ。それは、井上主将らが日々の練習で入野監督から指導されていることでもある。「自分たちも初心に帰り、基礎を見直すことができます」。入野監督は、「長野の冬は寒冷で、中学生はほとんど部活動をやらないために練習量が圧倒的に少ない。この教室が地域のバスケのレベル向上につながり、年齢の近い高校生と触れ合うことで中学生の競技人口が増えれば」と期待を寄せる。
 
また、菅生高校(あきる野市)の女子バスケットボール部は、3月28日に近隣の中学生を招き練習会を開催。風間孝二監督(菅生高教諭)は、「自分たちも理解が深まる。うちの選手たちも回を重ねるごとに成長しています」と語る。毎年長期休暇に行っているもので、会場設営や当日のメニューなど運営面でも選手たちが活躍した。

(写真)中学生に動き方の手本を見せる井上主将(中央)

 
【望洋高】サッカークリニックを部員がサポート
付属望洋高校(市原市)のサッカー部が、3月20日に市原市内で開催された知的障害者のサッカークリニック(主催=千葉県サッカー協会)をサポートした。小中学生約60人に部員が1人ずつつき、コーンの間にボールを通す練習や、鬼ごっこのほか、試合も行った。下原朋洋監督(望洋高教諭)は、「こうした取り組みは2回目なので、生徒も慣れた様子で一緒に楽しんでいました。違った形でサッカーに触れる経験も大切」と話した。