News:付属諸学校
2013年7月1日号
望星高科学部 大気汚染の謎を追う
成果の発信目指し研究を開始

東京都内や近郊の大気汚染の現状を調査し、成果を広く社会に発信しよう――。付属望星高校(渋谷区)の科学部が4月から、科学技術振興機構の平成25年度「中高生の科学部活動振興プログラム」=キーワード参照=の採択を受けた新たな研究に取り組んでいる。7月から始まる本格的な調査を前に、生徒たちの意気込みを聞いた。

「都会で学ぶ生徒にとって身近な大気汚染問題を通して、理科の魅力や奥深さを体感してもらいたいと考えました」と話すのは、科学部顧問の武政晃弘教諭。今回の取り組みは、武政教諭が今年の春、生徒たちに呼びかけてスタートした。「採択を受けることで、複数年にわたって調査し、議論を重ねながら考察できます。互いに切磋琢磨する環境も整えられると期待しています」と語る。

研究テーマは「都心と近郊の微小粒子状物質(PM2・5)及び窒素酸化物(NOx)の大気汚染調査―越境汚染、環境鑑識学及び環境保全からの考察」。今後3年間かけて、PM2・5や自動車が排出するNOxなどの大気汚染物質を調査・分析、その実態解明を目指す。澤田裕美さん(1年)は「ニュースなどで汚染がひどくなっているとは聞いているけれど、汚染物質の実態は詳しく知りません。この問題についてもっと知りたいと思い参加しました」と話す。

大学と連携し、最新の実験機器を活用
活動では東海大学理学部化学科の関根嘉香教授の研究室とも連携。PM2・5やNOxの最新型測定装置を借り、操作方法などの指導を受けるほか、中国や日本各地の観測データの提供も受け、自分たちで観測したデータとの比較分析も行う。最終的には学術論文として研究成果を発表することが目標だ。

6月5日には部長の鳥飼慎太郎さん(3年)が代表して関根教授の研究室を訪問。測定機器の使い方などについてレクチャーを受けた。「最新の機器を使えると思うとわくわくする一方、研究するからにはきちんとやらなければという責任感が高まりました」と話す。部員たちは7月中旬にもう一度関根教授から機器の使い方を教わった後、校舎で測定を開始する予定。来年度以降は、あきる野市など都心から離れた郊外でも調査する計画だ。

小林梨奈さん(1年)は、「この研究で新たな汚染物質や原因を発見できるかも。どんな結果が出るか、今から楽しみです」と話す。部員たちは「きちんとした成果を出せれば、社会を変えられるかもしれない。集めたデータはインターネットなどで積極的に発信していきたい」と意欲を燃やしている。

 
(写真)本格的な活動を前にミーティングを重ねている
Key Word 中高生の科学部活動 振興プログラム
科学技術振興機構が2010年度から行っているプログラムで、中学校、高校で理科や数学に関する活動を行っている団体を支援するもの。優れた資質や能力を有する生徒の育成や、活動の活性化を図ることが目的。なお今年度は付属浦安高校物理部も採択されている。