News:ひと
2013年7月1日号
新エネルギーの研究に挑む
核融合発電を通して人類の未来に貢献したい
中嶋 結さん
(大学院工学研究科応用理学専攻1年)

「東日本大震災後、原子力への信頼が揺らいでいる今だからこそ、安全で安定した新たな発電技術が必要です。核融合炉の研究を通して、電力の確保に悩む人々の助けになりたい」。核融合炉の炉心を覆うリチウム合金を研究し、3月に日本原子力学会のフェロー賞を受賞した中嶋さん。4月には厳正な審査を経て、日本を代表する研究拠点の一つ核融合科学研究所の特別共同利用研究員に選ばれた。

核融合発電は、2つの原子核が結合した際に生じるエネルギーを利用する技術。燃料は海水に含まれる重水素などで、熱による暴走の危険性もないことから、既存の原子力に代わる技術として各国で研究が進んでいる。

「小さいころから理科好きだった」という。高校生のとき、最先端の研究として紹介された原子力分野に魅せられて工学部原子力工学科へ。中でも核融合に魅力を感じ、このテーマを扱う近藤正聡講師の研究室に進んだ。「これから発展していく分野だからこそ、やりがいを感じる」と話す。研究員としてまずは、8月から1カ月間同研究所に滞在し、専門家の指導を受けつつ研究に取り組む。

「研究所はプロの集団。結果を厳しく求められる環境の中で、将来どんな場所でも活躍できるようになるために経験を積みたい」と意気込む。目標は、恩師である近藤講師のようになること。「高い目標に向かって、アグレッシブに学び続ける社会人になりたい」 (加)