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2013年8月1日号
ユニバで2選手がメダル獲得
柔道部員が“サンボ”で活躍!?

多様な格闘技をマスターし、柔道に生かそう―東海大学柔道部が取り組む一風変わった稽古の成果が、7月14日から16日までロシア・カザンで開かれたユニバーシアード夏季競技大会のサンボ競技=キーワード参照=で発揮された。江藤康太選手(体育学部3年)が男子74キロ級で銀、生田茜選手(大学院体育学研究科2年)が女子64キロ級で銅と2つのメダルに輝く活躍。柔道部とサンボの関係に迫った。

「柔道選手がなぜサンボを?と疑問を持たれる方も多いと思います」と男子柔道部の上水研一朗監督(体育学部准教授)は語る。サンボはもともと、ソビエト連邦時代から軍隊格闘術として採用されていた護身術。実は東海大との縁が深く、冷戦下にあって日ソ友好の懸け橋となる活動に取り組んだ学園の創立者・松前重義博士は、1965年に設立された日本サンボ連盟の会長を一時期務めた。現在の近藤正明会長も体育学部卒業生だ。

「柔道部では、69年ごろには練習に取り入れていたと聞いています」と上水監督。当時、監督に就任した佐藤宣践現名誉教授が、サンボの試合に積極的に出場していたこともあり、さまざまな格闘技を参考にしてきたという。その伝統は受け継がれ、現在は有志の部員20人ほどがサンボの稽古に汗を流している。
 
上水監督は、「実力のある選手は柔道の枠にとらわれず、他の格闘技の優れた技術を取り込んでいます」と分析する。「部全体のさらなるレベルアップを図るためにも、多様な格闘技を学ぶ場をつくっていきたい」と話すように、全日本学生優勝大会6連覇を達成するなど、学生柔道の頂点に君臨する実力の一端をサンボが担っている。

培った技術を生かし柔道の幅を広げる
今回のユニバには体育学部を昨年度卒業した男子90禅蕕両絽脅行選手(付属仰星高校非常勤教諭)を含め3選手が出場し、2選手がメダルを獲得する活躍を見せた。「寝技が得意」という江藤選手は、ユニバ予選として開催された今年2月のプーチン大統領杯サンボ選手権大会では、優勝者の中でも特に優れた選手に贈られるMVPにも選ばれた。「柔道と似た点も多くなじみやすかった。外部の道場に通うほか、学内の講習会に出て技を磨いています」と話す。
 
一方の生田選手は、「投げ技と寝技の切り替えが早く、技が途切れない選手が多い。投げたつもりが関節技を決められることも。最初は不安もありましたが、試合に臨む度胸がつきました」と話す。「柔道とサンボには共通点が多い。ここで培った技術を生かし、柔道の幅を広げたい」と2人は口をそろえている。

“学生のオリンピック”ユニバで東海大勢が活躍
7月6日から16日までロシアで開かれたユニバーシアード夏季競技大会では、サンボ競技のほかにも東海大学から卒業生を含む14選手が出場した。国際スポーツ連盟の主催で2年に1度、夏季と冬季に開かれており、“学生のオリンピック”とも呼ばれる大会。代表選手は原則として現役大学生だが、各競技団体から推薦された卒業後間もない選手も出場できる。

卒業生4選手が代表に選出された男子バレーボールは3位となり、深津英臣選手(2012年度卒・パナソニックパンサーズ)がベストセッター賞に輝いた。家高七央子選手(体育学部4年)と卒業生4選手が出場した女子バレーは5位。また、小原政佑選手(同3年)が代表入りした7人制ラグビーは6位、晴山ケビン選手(同)と橋本晃佑選手(同2年)が出場した男子バスケットボールは18位となった。個人では水泳部の細越智選手(同1年)が200メートル平泳ぎで7位、男子柔道部の王子谷剛志選手(同3年)は100キロ超級で2回戦敗退も、団体では優勝した。

 
(写真)メダルを手にする江藤選手(右)と生田選手。サンボの練習ペースは各自で決めており、江藤選手は週に1、2回道場に通う
Key Word サンボ
柔道を父に、レスリングを母に持つといわれ、ロシアの民族的格闘技を結集して成立した競技。柔道着に似た上着とハーフパンツ、シューズを履いて試合を行う。投げ技によるポイントか、関節技でギブアップを奪うことで勝負を決する。