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2013年12月1日号
【原子力工学科】学生の思い伝えるシンポ開催
これからの“原子力”を考える

工学部原子力工学科が建学祭期間中の11月2、3日に湘南校舎で、原子力工学や放射線についての情報を発信する「原子力シンポジウム」を開いた。同学科の1年生から4年生までの有志約20人が展示を、教員が特別講演をそれぞれ担当。学生たちは、自分たちの思いをまとめた映像や、原子力発電所の廃炉手順を紹介する自作の模型を展示した。

同学科では、2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所の事故直後から、湘南校舎近隣の放射線量を教員が計測して公表。建学祭では昨年も展示と講演会を行うなど、情報発信に努めてきた。今回の催しで学生リーダーを務めた石井政臣さん(3年)は、「原発事故後の今、なぜ僕たちが原子力を学んでいるのかを多くの人に伝えたかった」と話す。9月から話し合いを始め、映像作品と廃炉手順の模型、2メートル四方の霧箱の3つを作ることに決め、班ごとに準備していった。

海外文献から学びつつ、わかりやすい展示に

映像班は、1年生と、今年夏にチェルノブイリ原子力発電所跡を訪れた3年生に、自身の考えや将来の進路についてインタビュー。教員による放射線と原発事故の経過についての解説と合わせて、約12分のVTRにまとめた。模型班は、海外の文献などを参考にしながら制作を進めた。配管など細かい部品は省きながらも、部品を取り外せるようにすることで、手で触れながら気軽に学べるよう工夫した。川俣陽平さん(2年)は、「知らない用語も多く苦労しましたが、廃炉の難しさを学ぶことができました」と振り返った。

VTRと模型は、霧箱や各研究室の活動をまとめたパネルとともに展示。来場者は、「熱心に説明してくれたので、事故以来抱えていた疑問を解決できた。今後も頑張ってほしい」と口々に語った。学生たちは「これからの原子力技術者に何が必要かを考える機会にもなった。今の思いを忘れず、しっかり勉強していきたい」と話している。なお3日には、教員が担当した特別講演を実施。高エネルギー加速器研究機構の宇佐美徳子氏が「放射線の健康影響を科学的に伝えるために」と題して講演した。

 
(写真上より)
▽廃炉の手順を紹介する模型を手に説明する川俣さん
▽わかりやすいと好評だったVTR 
▽講演会には100人をこえる市民や学生が詰めかけた