特集:東海大生200人に聞きました
2014年3月1日号
東日本大震災から3年
今も支援を続けていますか?

2011年3月11日。東北を襲った未曽有の大震災を、3年経った今もはっきりと覚えているだろうか。そして支援を続けているだろうか――東海大生200人に「東日本大震災を受けて何か行動を起こしましたか?」と問うと、72%が「はい」と回答。内訳は「募金」が98人で最も多く、中には「瓦礫(がれき)撤去や河川の清掃、学生団体に所属して現地でイベントを行った」(理学部3年・女子)という学生もいた。
 
「その内容を今も続けていますか?」との質問に「はい」と答えたのは48%。震災から1年後に実施した本紙アンケートの同じ質問では57%が「現在も続けている」と答えており、微減する結果となった。その理由には、「初めのうちは募金をしていたけれど、徐々にしなくなってしまった」(健康科学部2年・女子)、「3年経った今、できることはほとんどないと思う」(工学部2年・男子)との声も上がる。


一人ひとりの力で“震災を忘れない”

では、今学生にできることとは――宮城県出身の学生は、「あの震災を忘れないでほしい」(健康科学部1年・女子)と思いを吐露する。フリーコメントで目立ったのも、「現状を知り、風化させない」ということ。「まだ仮設住宅に住み、十分な生活ができない人がいることを忘れない」(教養学部3年・女子)、「現地に赴いて現状を知り、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などで発信する」(法学部2年・男子)。
 
そして、「今は自分の勉強をする。将来的には何か被災地のためになることをしたい」(情報通信学部1年・女子)、「観光を学ぶ身なので、“観光”の視点から町を復興するアイデアを提案できないかと考えている」(観光学部4年・女子)という意見も多かった。「一人ひとりの力は小さくても、募金を続けたり、東北の現状を少しでも知ろうとしたりすることはできる」(生物学部2年・女子)。3年の節目、いま一度、東日本大震災について考えてみてはどうだろうか。(構成・編集部)



monitor's Voice
自分が育てた野菜で故郷に元気を届けたい

吉田 準さん(農学部2年)
 
高校2年の春休みに、大震災が起きました。僕は福島県いわき市出身。自宅は無事でしたが、津波で家を流された知人もいました。混乱の中で印象に残ったのが、「食べ物がなかったら生きていけない」ということ。それで農学部に進みました。

入学直後から故郷のために何かしたいと思っていましたが、自分一人の力では何もできなかった。ところが2年の秋、教職員の方々の手助けもあって阿蘇校舎内にある実習用の畑を貸してもらえることに。友人にも協力してもらい、授業の合間や週末を利用して野菜作りに励みました。収穫した野菜は段ボールで5箱。故郷に送って、家族やお世話になった方に食べてもらいました。今後は協力してくれるメンバーを募って、もっと多くの人に阿蘇の野菜を食べて元気になってもらいたいと思っています。


学生たちの声から
今、私たちにできることは?
▽震災後の東北の方々の生活や、今の状況を正しい情報で知ることが大切だろう。震災も戦争と同じように風化させてはならないと思うので、後世にも伝わるように正しい情報(たとえばいまだ仮設住宅に住んでる方の生活)を知ることが、学生ができる支援だと思う(農学部3年・女子)
▽同じ学生として被災地の学生との交流を行うこと。3年という月日が被災地とその他の地域で感覚の違いがありすぎだと思う。報道もだんだん薄れていっているので、現状を知りたいのが一番の理由である(情報通信学部1年・女子)
▽もはや募金などでしのぐ時期ではない。長期の視点に立って、脱原発にしろ、我々が学び得たことを社会に戻すことが大切(文学部4年・男子)
▽現在、学生である私たちは、数年後に日本の社会を支える中心的な立場となる。そのときに、大震災で被害を受けた人や地域のために行動できる社会をつくるため、自由な立場であるうちに現状を知り、将来自分が貢献する方法を考え続ける(体育学部2年・女子)
▽学生は時間に余裕があると思うので、現状がどうなっているのか調査したり、調べたことをSNSなどで発信することもできるのでは?(文学部2年・女子)
▽3年の月日が流れたことで、被災地の方々も震災以前の生活に戻りつつある。工場や農産品が復活したので、被災地産のものを買うことが、私たちにできることだと考える(産業工学部3年・男子)
▽先日、阪神・淡路大震災から19年を迎えたが、私は恥ずかしいことに大阪出身の友人のツイッターへの書き込みを見て気づいた。日付も覚えていなかったし、何年前かもあいまいだった。日本で起きたことなのに、少し場所が離れているだけで他人事になってしまうのはとても残念なことだと感じる(教養学部4年・女子)
▽「復興、復興」といわれているが、そのスピードが遅いと感じる。東京オリンピックが決まり施設などを新設するのもいいが、そんなお金があるなら募金と言う前に被災地の復興に使ってほしい(生物学部2年・女子)
▽10年後、20年後、50年後に生まれてくる子どもたちが安心して暮らせる未来を考えていく(芸術工学部4年・男子)
▽募金など身近なところでできることからやっていけばいいと思う(海洋学部4年・男子)


3/11
生放送特番を制作中
「人とのつながり」を形に

東海大学3.11震災特別番組プロジェクト
小山綾子さん(文学部2年)

東日本大震災から3年。今年も3月11日に湘南ケーブルネットワークで、「東海大学震災特別番組『未来(あす)へ〜つないでいくこと〜』」を午後1時から2時間生放送でお届けします。岩手県大船渡市と湘南校舎3号館のスタジオを中継で結び、より臨場感のある放送を目指しています。
 
先輩たちが始めた取り組みを継続させたいと、広報メディア学科の学生19人が参加しました。1年目の「震災を伝える」、2年目の「防災対策」という2回の放送から学んだことを生かし、あらためて震災を振り返る今回。3年経った今だからこそ、私たちが伝えられる内容にしたいと頑張っています。
 
番組は、「大船渡の今」「震災を考える」「現状と対策」の3コーナーで構成しました。運転を再開した三陸鉄道の「歌声列車」というイベントのほか、茅ヶ崎の写真洗浄ボランティアの活動を取材。また、神奈川県総合防災センターを体験リポートするなど、盛りだくさんです。特に、メンバーが“帰宅難民”さながらに大学から自宅までの道のりを4時間以上かけて歩く企画は必見です。

さらに、専門家から災害時の行動や風評被害などについてアドバイスをもらい、“学生ができること”を考えます。これまでの取材で知った人々の思いや現地の状況を伝えることで、人とのつながりを考えるきっかけになればと願っています。

 
(写真)大学から自宅までを歩く様子を撮影するスタッフと小山さん(右)。番組はインターネットでも公開される