News:教育
2014年4月1日号
原子力の短期集中研修会を開催
IAEAが定める国際基準を学ぶ

国際原子力機関(IAEA)が定める原子力の国際基準を企業の若手技術者や学生にレクチャーする「IAEA国際基準研修」が、3月18日から20日まで高輪校舎で開催された。国際教育センターと工学部原子力工学科が主催したもので、原子力関連企業の技術者や大学生約70人が受講。IAEAの専門家ら8人が講義した。

この催しは、文部科学省「平成25年度原子力人材育成等推進事業費補助金」に採択された東海大学のプログラム、「原子力国際基準等を基盤とした多層的な国際人材育成」の一環で初めて行われたもの。同プログラムでは今回の研修のほか、今年4月から東海大の学生を対象にした講義「テクノロジーと社会」を開講し、原子力に関する国際基準を身につけ、科学技術の安全利用を担う人材の育成を目指している。

研修の企画運営にあたった国際教育センターの広瀬研吉教授は「昨年行われた原子力基本法の改正で、日本は今後IAEAの基準に基づいて放射性物質を管理することが決まったが、国内でその基準を学べる機会は少ない。1956年に日本で初めて原子力を専門に学ぶ工学部応用理学科原子力工学専攻を開設した大学として、他大学に先駆けて実施す必要があると考えた」と語る。

各分野の専門家が幅広い視点でレクチャー
研修では、IAEA原子力安全・セキュリティ局のドミニク・デラットレ氏が「IAEA安全基準」と題して、国際的な原子力の安全・セキュリティーネットワークについて講義。原子力の安全利用に関する国際的な枠組みを紹介した。また、スヴェトラーナ・マジュナロヴァ氏が「緊急時対応」と題して講義するなど、原子力発電所の安全管理や、東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえて進められている国際基準の改訂状況も解説された。

受講した技術者からは、「IAEAの専門家に直接話を聞けること自体が貴重。世界共通の枠組みへの理解を深めるよい機会になった」「原子力の安全利用を担う者としての責任感が強まった。次回も受講したい」などの感想が聞かれた。
 
原子力工学科主任の伊藤敦教授は、「現代は科学技術システムが高度に発達しており、リスク管理とその国際的枠組みを理解することは、原子力以外の分野の学生にも役立つ。プログラムを多くの学生や技術者に受講してもらい、国際的に活躍できる人材の育成に貢献したい」と話している。