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2014年7月1日号
硬式野球部が全日本大学選手権13年ぶりV
創部50周年の節目に、1度も負けることなく頂点まで上りつめた――。首都大学春季リーグ戦を14戦全勝で制した硬式野球部は、6月10日から15日まで明治神宮野球場と東京ドームで開かれた全日本大学選手権大会に出場。決勝で神奈川大学を2―0で破り、2001年以来13年ぶり4度目の優勝を飾った。前回の日本一から13年、春・秋合わせて全国大会に15度出場し、5度目の決勝戦でついに日本一を手にした。

昨年は春・秋ともに全国の舞台から遠ざかっていただけに、「今春のリーグ戦は何が何でも優勝しよう」と選手たちは思いを一つに臨んだ。従来の勝ち点制から2戦総当たりの勝率制に変更になり、7週末連続で試合を行うハードスケジュールだったが、豊富な投手陣と、2アウトからでも得点できる打線の勝負強さで勝ちきった。

全日本でもその勢いは衰えなかった。初戦となった2回戦の龍谷大学戦では、エース吉田侑樹選手(体育学部3年)が5安打完封、2―0で勝利した。準々決勝の大阪体育大学戦は一時2点のリードを許したものの、リーグ戦首位打者の大城卓三選手(同4年)の2本の三塁打などで4―3と逆転勝ち。準決勝の創価大学戦は先制を許したが、足を絡めた攻撃で5回に一挙5点を奪い、7―2で大勝した。

4年ぶりとなる決勝戦。3戦連続でリリーフした芳賀智哉選手(同3年)が最後の打者を空振り三振に切って取ると、マウンドに歓喜の輪が広がった。横井人輝監督(東海大職員)は、「試合に出ている選手だけでなく、サポートしてくれた部員も含め、全員が団結して戦えたことが一番の勝因。よくやってくれた。創部50周年に花を添えられてうれしい」と語った。

なお、大城選手が打率5割3分3厘、大会タイ記録の三塁打3本をマークして最高殊勲選手賞と首位打者賞に、防御率0・90 で3勝を挙げた吉田選手が最優秀投手賞に輝いた。

 
総合力で4度目の日本一
積極的な走塁、大城選手の勝負強さ光る


「対戦相手を見たときに、そうそう点は取れないと思った。送りバントと走塁、これを一番に掲げて準備してきた」と横井人輝監督(東海大職員)は振り返る。

全日本直前の5月31日から6月3日まで、主力選手らは静岡市の東海大学松前球場でミニキャンプを張った。「環境を変えて、集中して練習しよう」という横井監督の発案で、初めて実施した試みだ。朝6時30分から夜6時まで、バントや走塁、個々の課題克服に重点を置き、紅白戦も織り交ぜ徹底的に練習した。

成果は結果となって現れた。選手たちは犒笋あれば次の塁を狙う〞積極的な走塁を隋所に見せ、ヒットエンドランも絡めて得点を重ねた。中でも象徴的だったのは、好投手2人を擁する準決勝の創価大学戦。2―0の5回、1アウトから内野安打で出塁した渡邊勝選手(体育学部3年)が、次打者の4球目で二塁を、5球目で三塁を陥れた。この試合、4回まで内野安打1本に封じられていたが、この渡邊選手の盗塁をきっかけに、3本の適時打で5点を奪って逆転に成功。決勝進出を一気に引き寄せた。

中継ぎエース芳賀選手3戦連続好リリーフ
4年ぶりに駒を進めた神奈川大学との決勝戦では、最高殊勲選手賞と首位打者賞に輝いた大城卓三選手(同4年)の勝負強さが光った。5回に先制の適時打を左前に放つと、7回には「体がうまく反応してくれた。バットの芯だったので手応えがあった」という打球が中堅手の頭上を越える適時三塁打に。この試合の全打点を稼いだ主砲は、「自分が決めてやろうという気持ちだった」と笑顔で振り返った。

投げては、2試合連続で先発した吉田侑樹選手(同3年)が6回を4安打に抑え、7回からは芳賀智哉選手(同)が3試合連続のマウンドへ。「準々決勝、準決勝と納得のいく投球ができたので自信はあった。疲労もあったけれど、マウンドに上がったら感じなかった」と芳賀選手。3回を内野安打1本に抑え、最後の打者を三振に切って、満面の笑顔で捕手の大城選手と抱き合った。

チーム支えた4年生犲分にできることを〞

「横井! 横井!」。閉会式を終え、三塁側応援席前に移動すると、スタンドからは牴0罐魁璽〞が起こった。それに応えるように右手を突き上げた横井監督。選手たちの手で何度も宙を舞った。

「例年、4年生の中には早い時期に引退し、サポートに回る選手が何人かいるが、今年は特に多かった。なんとかしてチームの力になろうと考えてくれたのだと思う。練習では打撃投手や捕手を務めるなど、積極的にサポートしてくれたことが日本一につながった」と横井監督は言う。新谷淳主将(同4年)は、「今年はチームワークがいいのが強み。試合中もたくさんの声援を送ってくれたからこそ優勝できた」と感謝した。

決勝戦の日の夜、平塚市の野球部寮で選手やスタッフ、関係者らで行われたささやかな祝勝会。新谷主将は、「これまで横井監督の悔しい顔ばかり見てきたので、自分たちの代で日本一になって、男泣きさせようと思っていた」とあいさつし、横井監督は、「この日を待っていた。爐茲ぢ子たち〞を持って幸せだ!ありがとう」と答えて選手たちを沸かせた。

なお、7月10日から21日までオランダで開かれるハーレム・ベースボールウィークに、吉田選手と田中俊太選手(同3年)が大学日本代表として出場する。また、コーチとして横井監督、マネジャーとして阿知和豊大主務(文学部4年)も帯同する。

 
(写真上から)
▽満面の笑顔で横井監督を胴上げする選手たち
▽決勝戦で先制の適時打を放つ大城選手
▽優勝を決め、歓喜の輪が広がった