特集:東海大生200人に聞きました
2014年7月1日号
「憲法」に興味ある?
遠いようで身近な存在

日本国憲法の改正手続きについて定めた「国民投票法」の対象者を、これまでの20歳から18歳に引き下げる改正法が6月20日に公布された。また、集団的自衛権の行使に向けた解釈改憲の議論も盛んだ。一方で、とかく難しいと思われがちな存在でもある憲法。東海大生はどのように思っているのだろう?



【学生アンケート調査】●調査期間:2014年5月下旬〜6月上旬●調査対象者:東海大学在学生(札幌校舎8人、代々木校舎4人、高輪校舎8人、湘南校舎143人、伊勢原校舎10人、清水校舎16人、熊本校舎5人、阿蘇校舎6人)●調査回答数:200人●調査方法:ヽ慇献皀縫拭爾縫瓠璽襪妊▲鵐院璽箸鯒杰し回答を得る▲ャンパス内でアンケート用紙を直接配布し回答を得る


「憲法に興味関心がありますか?」との質問に、「ある」と答えた学生は58%と、半数をこえる学生が意識を持っていることがわかった。「ない」と答えた学生は42%で、その理由は「よくわからないから」(情報通信学部1年・男子)、「難しく、生活に差し支えがないため関心がない」(海洋学部3年・女子)との声が多く寄せられた。

続いて「憲法を読んだことがありますか?」と聞いたところ、「全文読んだ」と答えたのは10人だったが、「一部読んだことがある」と答えた151人を加えると3分の2が何らかの形で1度は目を通していた。何らかの形で読んだことがあるものの、難しくて縁遠いものと感じている学生が多いことが見て取れる。

一方で、「国民投票法の改正が議論されていることを知っていますか?」との質問には、62%が「はい」と回答。わずかながら、憲法に興味関心がある学生の数を上回る結果に。学生からも「18歳でも働いている人がいるので、引き下げることはいいと思うが、国民全体で憲法について考える機会を増やしたほうがいい」(文学部3年・女子)といったコメントが多く寄せられた。

18歳からということは、憲法が改正されることになれば、大学生も判断が求められることになる。この機会に興味を持つことから始めてみては?


学生たちの声から
Q.憲法について
▽国民全体が憲法について考える機会を増やしたほうがいい(文学部3年・女子)
▽一度決めた大切なことを、また変えようとする理由がわからない(観光学部4年・女子)
▽国民のために作られたものであり、国民の幸せを第一に考えた内容であるべき(教養学部3年・女子)  
▽ちょっとした法律としか捉えていない人が多いように感じる。でも、法律や制度を知らないと損をすることもあるし、変わることで大きな被害が起こることもあると思う(教養学部3年・女子)
▽内容については詳しく知らないが、平和を維持してほしい(情報通信学部1年・男子)
▽表現と思想の自由が守られることを願う(海洋学部3年・男子)
▽制定から長い時間が経っているので、ところどころ修正は必要。ただし、しっかりと議論したうえで、最終的に国民が判断すべき(基盤工学部1年・男子)
▽個人の世代や置かれている環境によって憲法に対するイメージが異なるため、問題が複雑になりやすいのだと思う。まずは若い世代が親しみを持てるように教育することが大切だと思う(生物学部3年・女子)

Q.国民投票法改正について
▽18歳の未成年に国民投票の権利を与えるのはおかしい(文学部1年・女子)
▽年齢を引き下げて、少しでも若者の意見を取り入れたほうがいい(情報理工学部1年・男子)
▽欧米では18歳から成人として扱われる国が多いので、投票年齢の引き下げには賛成(法学部2年・男子)
▽きちんと判断して投票するためにも、憲法を要約したものを作ってほしい(工学部1年・男子) 



憲法は日々の生活に不可欠なもの
自分なりに向き合って

法学部法律学科 押久保倫夫 教授

憲法なんて、自分とは関係ないと思っている人も多いでしょう。でも書かれていることはあなたの身近な生活と人生にとても重要です。まず国民の権利を定めた人権条項があって、その後に国会や行政といった国家権力の構成とそれを制限する条項が並んでいる。大事なのは国民の自由と生活を守るために、国家権力を制限していること。あなた方一人ひとりが、自分が生きたいように生きることができるように、守っているのです。

アンケートでは「身近に感じない」という声も寄せられていますが、実は当たり前の毎日を支えているのも憲法なんです。思ったことをネット上に自由に書き込んだり、友人と好きなように議論できるのは「言論の自由」(21条)があるから。将来自分のやりたい仕事につき、好きな人と結婚できるのも、「職業選択の自由」(22条)や「婚姻の自由」(24条)が保障されているためです。

こうした権利の中には、国によっては残念ながら、認められていないものもあります。もし一つでも欠けていたら、どんな不自由な生活になるか、想像してみてもいいかもしれません。憲法のような法律・社会制度は複雑でわかりにくい面があります。でも、消費税増税のように、見ないふりをしていても、向こうから迫ってくるものでもある。生活を守り、自由にしたいことをするためにも、自分なりに憲法に向き合ってほしいですね。

どこまで知ってる?
憲法クイズ!
問1:日本国憲法(以下、憲法)が施行されたのは何年の5月3日?
 1945年 1947年 1949年 1951年
問2:日本の憲法はどの国の憲法をモデルにしている?
 .▲瓮螢 ▲疋ぅ帖´フランス て団蠅離皀妊襪呂覆
問3:憲法3原則のうち間違っているのはどれ?
 々駝閏膰◆´⊂歡天皇制 J刃村腟繊´ご靄榲人権の尊重
問4:全103条ある条文のうち、国民の権利と義務を定めた章の条文の数は?
 11条 31条 46条 72条
問5:憲法改正には衆議院と参議院の全議員の3分の2による発議を経たのち、国民投票でどの程度の得票を得る必要がある?
 50%以上 60%以上 70%以上 80%以上
問6:国民の義務として、憲法で規定されていないものは次のうちどれ?
 〃法を尊重し擁護する義務 納税の義務 子どもに教育を受けさせる義務 ざ佻の義務

 
答:問1◆〔2ぁ〔3◆〔4◆〔5 〔6 憲法99条に、「……公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う」という規定がありますが、ここでは「国民」ではなく、「公務員」が主語となっていることに注意してください。憲法はそもそも、国家権力を制限する法規範です。そのため、憲法を尊重し擁護する義務を負うのは、大臣や議員、裁判官といった国家権力担当者であり、国民ではありません(解説:押久保教授)